==思うがままに==

2003年8月24日のエッセイ


イルカの刺身
 紀州、特に勝浦はイルカを食す。これを言うと「へぇぇー」となる。それもいわゆる普通のスーパーに、パック詰で「イルカ380円」とか表示シールを貼って売っている。みんなの反応は「かわいそう、よく食べられるね」だが、この刺身は本当に美味い。

 ただ、鯉のあらいのように時間が経つと覿面でまずくなる。東京の皆様にも食べてほしいのだが、冷凍でもダメで、地元でも朝買って冷蔵庫に入れて半日経つともう味が落ちる。ゆえに東京に持ってこれない。

 鯨の尾のみはよく肉でもなくマグロのトロでもなく、その間の微妙な味との評判があるが、イルカはこの表現でいけば魚に近いがマグロではないという曰く言いがたい味である。これを食べたい方は冬場に是非勝浦へ。

 ところで、日本文化とか文化を一くくりする傾向があるが、イルカを食す文化が日本の中にあるように、文化はそれこそ千差万別、多種多様である。それを一くくりにしようとするとき、文化の政治化が始まり、だいたいにして不幸になる。 
No.25


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