「学徒出陣」から60年、出陣した多くの学生は二度と祖国に、大学に、戻ることはなかった。このほど「青山学院大学プロジェクト95」が『青山学院と学徒出陣60年−戦争体験の継承』を自費出版したと東京新聞「筆洗」に出ていた。
その中で戦争世代からのアドバイスとして次のような文章が紹介されていた。 「ないないづくし−戦争を知らない若者へのメッセージ」(栗林一路)
「君たちは−権力者から無責任にも『死ね』と言われたことがない。君たちは−正義の名のもとに、人殺しを正当化する危険性を予想しない。君たちは−テロも戦争も人殺しとはっきり自覚しない」
「君たちは−戦争体験者がとくとくとしゃべる話を、SFもどきの液晶画面とダブらせて、ぼんやりと眺めているにすぎない。君たちは−やがて12月8日も、8月15日も、9月11日も忘れ、軽いいびきを立てて眠るだろう。戦場の兵士ですら眠ることなく戦うことはできなかった」
いよいよイラクに自衛隊が派遣されようとしている。ほとんどの日本人が不安を感じながらも対岸の火事で大過なく終わってくれと願っている。しかし、もうすぐそこに圧倒的な人々に支持された権力によって、若者たちが次々と戦場へと出て行く状態になるのではないかと危惧する。
9.11で犠牲になった日本人遺族の1人の方が、「気がつけば一瞬のうちに対岸に渡らされていた。テロは憎い。しかし、もう二度と新たに対岸を渡り、私たちと同じ悲しみを味わうことになる人々を出してはいけない」と訴えていた。
不条理にも亡くなった方々の御霊の無言の訴えも、そのことにつきると思う。自衛隊派遣は対岸へと渡ることになりかねず、確実に戦争へと加担することにつながるであろう。 大きなうねりの中で何もできない自身のあり方をお詫び申し上げながら、これ以上新たな犠牲者が出ないよう祈るのみである。
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No.146
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