==思うがままに==

2004年9月8日のエッセイ


台風とサンマ
 台風とサンマ。なぜ関係があるのと思われただろう。私もなるほどそうだったのかと今日付『朝日新聞』第2社会面に並んだ2つの記事で知った。1つは「高水温引き金 台風続発」、もう1つは「サンマ一転 高騰の恐れ」という記事だ。

 つまり上陸最多の台風多発は、海水温が高くなると、上昇気流が起きやすくなり、その大気の激しい流れが一因とされている。で、この海水温が高くなった影響でサンマの南下が遅れ、一時的に激減、急騰の恐れがあるということだ。しかし、これはどうも今年始まったわけでない。

 実は勝浦あたりまで南下するサンマは、脂が削げ落ちたもので普通に焼くと美味しくないので押鮨にする。この「サンマ鮨」は「めはり寿司」とともに南紀の名物だ。それから、同じ焼くにしても一夜干しにして食べる。これがまた美味。酒のつまみにぴったり。

 4、5年前は、秋も終盤になると勝浦から大量に送ってもらっていた。一夜干しサンマが、10匹、20匹100円程度で魚屋さんの店先に並ぶのだ。ところが、その後あまりとれなくなって高くなってしまった。東京では普通に安く食べられ、不漁とも何ともないのになぜ?と思っていたが、その謎がようやく解けた。原因は海水温だったのだ。

 ということは、何とこれも温暖化の影響かも。となると今回の台風続発も単なる異常気象ではない。まさかこれが「終わりの始まり」? そういえば古い話だが、小松左京の「日本沈没」で沈没が始まる一番最初の記述が、「那智の滝まで海水がきた」であった。これを読んでいたときに、ありゃ自分たちが全国で一番先に死んでいると思ったことがある。 
 地球環境問題を、日本もヨーロッパ並みに真剣に考えなければならない。あの最愛なるパートナーであるアメリカにも危機感を促さなければ・・・・。
No.543


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