少年少女会連合本部が出している『わかば』10月号巻頭言、常任理事の原田恵一郎先生の「一心でなければならない」との記事を読ませていただいた。原田先生は、阪神大震災時に教会が被災されたにもかかわらず、お広前をボランティアの宿泊のために長期間開放されたお教会の先生である。
8月に実施された第4回少年少女遠征・屋久島プロジェクトの団長として挨拶された時に、朝の御祈念時に心に浮かんだ「あわてず、あせらず、あきらめず」とのお言葉をお話しされた。この言葉が、厳しい登山の時に「参加者の心の支え」になり、「天地に対する畏敬の念」や「支え合って生きるのが人間」など、「多くの体感による宝を頂いた」と書かれている。
私は日頃から「お陰さま、お互いさまで、お先にどうぞ」という三つの「お」の実践を提唱してきているが、先生にお断り申し上げて、三つ「あ」、「あわてず、あせらず、あきらめず」を付け加えされていただきたいと切に思わされた。
この三つの「あ」は、まさに人生そのものにも言える言葉であり、特に現在の大学生達にぜひとも聞いていただきたい言葉である。というのも、長引く不況下の中、就職超氷河期時代といわれ、何百社受けても内定がもらえないという信じられない状況が当たり前となってきている。
当然、学生達は早くからの就職活動を強いられ、あわてざるを得ない。そしていくらがんばっても内定がもらえず、気はあせってばかりである。とうとう、精神的にもまいってしまい、あきらめてしまう。ここのところは実家に寄生したり(パラサイトシングル等)、フリーターのまま問題を先送りにして、「もう無理だ」と最初からあきらめてしまう人も多い。
これでは完全に悪循環に陥り、自ら不幸に突き進んでしまう。そこで、やはり「あわてず、あせらず、あきらめず」の精神をできるだけ早い段階から身につける必要がある。この屋久島プロジェクト遠征の願いの1つに「社会に出る前に、自主、自立、自助の精神を養う」とあるそうだ。
東京学生寮も「自主自律をはかり、世界人類に貢献しうる人材の育成」を願っている。原田先生も書いておられる「『あわてず、あせらず、あきらめず』の基礎にあるのは、何といっても金光様への祈りなくしてはなかったようです」とあるように、私の三つの「お」も、その根本のところに金光様の信心を頂いて初めて真に実現していくことができると考えている。
教祖様は「信心なければ世界が闇なり」と仰った。人間が壊れてきている今日、真に差し迫ってくるみ教えだ。金光教人としての使命は大きい。
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