« | »

安倍首相靖国参拝 「リベラル」派は心せよ

plc13122611340014-l2[1]

 先ほど安倍首相が靖国神社を参拝した。改憲へ向けて着々と歩を進めている。特定秘密保護法にしても武器輸出三原則下の韓国への武器提供にしても、大手メディアがかなり反対論を展開しても、どうもそれが民意を反映していないどころか逆効果になっているのではと思う。

 どなたかが指摘していてハッとしたが、いつも同じ顔ぶれでいつも同じようなことしか言わないことが問題なのだ。つまりはステレオタイプの批判しかしていないところに問題がある。

 いわゆる「リベラル」派は、単に反対や批判をするだけではなくて、よくよくことの本質を見極めて、それが民意につながるように努力してほしい。保守反動と不毛な論議を繰り返すだけではなくて、健全保守と良識リベラル派がよりよき方向へと導いてほしい。

 例えば特定秘密保護法では、この法がすぐに戦争やファシズムに直結すると不安を煽るだけだったり、武器提供にしても状況をよく把握せずに、すぐに文民統制が瓦解するといった反論だけでは、どちらかよくわからない人たちの民意はつかめない。

 特定秘密保護法は当然問題がある。ただあらゆる組織に秘密があるように国家の秘密保全も必要と押さえ、だからこそこの法の暴走を抑止する方向で法案をしっかりと吟味するべきであった。武器提供にしても、この程度のことができないからこそ憲法を改正しなければならいとする論に太刀打ちできない。

 靖国問題については、中国や韓国から早速に反発が出ているが、国内リベラル派はどう反論していくか。これまた私的参拝か公的参拝かとか、A級戦犯や戦争責任といったこれまでと同じような批判では民意は参拝肯定を指示してしまうだろう。

 安倍総理は一度地獄を味わっただけにさすがに勉強してきている。鎮霊社にふれて、諸外国の戦没者やすべての戦争犠牲者の御霊に対して哀悼の意を表したと語った。靖国神社本殿は、日本人の中でも彰義隊や会津や西南戦争でのいわゆる朝敵は祀られていないし、竹槍を持たされて空襲で亡くなった民間人等も祀られてない。そのこともちゃんと意識してのことだろう。

 首相の靖国神社への参拝問題の本質は、戦争犠牲者を慰霊する施設ではなくて、国家のために死んでいける精神的支柱の役割を果たした宗教的国家装置そのものの復活につながるのである。
 
 安倍首相が力説する「不戦の誓い」ではなくて、本音は積極的平和主義で予想される邦人犠牲者のためを想定しているのだ。新たな死者を再生し、そのために死を美化する仕掛けに問題の本質があると思う。

Trackback URL

Comment & Trackback

No comments.

Comment feed

Comment





XHTML: You can use these tags:
<a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <s> <strike> <strong>