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「それは、おかげだ」

 平和集会企画会議の後、27日、28日とご本部会議での出張、29日は上北沢教会ご大祭、祭員と教話講師の御用をさせていただいた。心配していた台風も、さほど影響がなかったが、今日の金光財団の役員会は台風で中止とのこと。

 上北沢教会では、「人が人を助けるのが人間」との講題で、今まさに気仙沼教会を中心に、人が助かる働きが展開されていること。天地自然は、人間に大いなる恵みを与えていると同時に、人間を殺してしまうこともあり、人間の力では及ばない程の大きな天地の中に生かされているという天地の道理の中で、だからこそ、神様は、「人と人とが助け合って生きてほしい」と願っている。ここが金光教の根本であり、信仰原理であり、ここを立ち処にしてすべての事柄を見て、行動していくことの大切さをお話しさせていただいた。

 明日で5月も終わり。金光財団の決算月がこの5月締めである。東京学生寮の会計事務のほうも、間違いご無礼なく、無事決算事務が整うよう願っている。そしていよいよ6月からは、だんだんに寮生たちと共に気仙沼ボランティアにいかせていただく。

 残念ながらトップで参加予定のK君が、昨日の夜中に全身に発疹が現れ、病院に連れていくと、なんと水疱瘡であった。現地スタッフ責任者の嶋田先生にお詫びの電話を入れると、開口一番「それは、おかげだ」。

 私「え!?」。嶋田先生「もし、こっちに来て発症したら、それこそ病院はないし、人にもうつる」。なるほど仰るとおり。恥ずかしながらすぐに思いつかなかった。ここら辺に信心の違いが現れる。ここからの万事の立ち行きを願うばかりである。

「アクティブ・リスニング」

 首都圏の鉄道でここ2、3日、人身事故が相次いでいる。そのほとんどが飛び込み自死である。先日の日曜日もあるお教会の御大祭奉仕に出かけようと駅へ行くと、武蔵小金井駅のホームで飛び込み事故があり、昨日も今日も山手線や京浜東北線で人身事故があった。

 年間3万人もの方が自死に追い込まれ、それも、もう何十年も続き、今年も確実に3万人を越えるペースだそうだ。人身事故と聞くと本当に心が痛む。加えて今年は大地震と大津波が襲い、さらに福島原発の事故で心安まる暇がない。

 私の身近にも地震や放射能汚染の恐怖で、心を乱す方がいる。何とか励ます言葉を持ちたいが、通り一遍の慰めや励ましの言葉では逆効果であることが歯がゆい。何とか、その方たちの力になれるよう考え抜いているところである。

 いま出来ることは、「苦しんでいるのはあなた1人ではないこと、1人で苦しみ、悩みを抱え込まないように」と伝え、何とかお話ができるようただひたすら寄り添い、祈りを込めている。そのほうがこちらが励ましや慰めの言葉をかけるよりも、真に心のケアになるようだ。  

 5月8日付『東京新聞』サンデー版、「大図解シリーズ・大震災と心のケア」に、「アクティブ・リスニング」というものが紹介されていた。これは、被災された方々のストレスを軽減するために聞き役に徹し、相手の話を自然な形で引き出す聞き方の技術である。

 その主なポイントを以下に記すので、皆様も参考にしていただきたい。

○話の主導権はあくまで相手に委ねる
○話を途中で妨げない
○相手の話を引き出しやすいタイミングで相づちを打ったり、質問する
○善悪の判断や批評はしない
○相手の感情を理解し、共感する
○ニーズを読み取る
○安心させ、サポートをする
○体験を語りたくない人に対しては、その気持ちを尊重する

「那智勝浦町津波防災マップ」

 今日ある本を探していると、前から探していた「那智勝浦町津波防災マップ」なるものが偶然見つかった。このマップの制作年が記してないので、いつのものかわからないが、恐らく10年ほど前だと思う。

 阪神大震災を経験してのことだと思うが、私もその頃何回もこの地図を見て、教会のところは一応大丈夫だと安心していた。最短の海からは500メートルは離れており、まさかここまではこないだろうと。

 マップの説明には、「この地図は昭和19年12月7日に発生した東南海地震による津波の実績とその数値のシミュレーションを参考に作成した浸水予測及び避難場所の位置図です。当時、マグニチュード7.9の地震が熊野灘沖で発生し、その後8~10分で津波が来襲しました。当時はまだ堤防が整備されておらず、わずかにあった堤防も地震で破壊されたため、黄色で示した範囲まで浸水しました」とある。

 東南海地震の時には、この地図によると教会は完全に浸水している。しかし、このマップには、赤色で「予測浸水地域」が示されており、「防波堤も含めた現在の地形に対して、東南海大地震と同程度の津波が発生したときの浸水域を数値計算した結果」とある。

 この赤色の部分には、勝浦教会は入っていない。しかし、今回の地震でこれで安心とはいかなくなった。以前から当ブログで何度も指摘してきたように、このマップでいう防波堤は、二重に整備された堤防のことだと思う。

 小さい頃から、「二重堤防」とよく呼称をしていた。これがあるから安心だと恐らく教えられたきたのだろう、自分のところは安心だとずっと思っていた。しかし、いつの頃からかこの「二重堤防」の間に、町立の体育・文化センターが建ったり、民家も建つようになった。これは明らかに東南海地震の教訓を忘れたのではないかと。

 それでなくても何もない貧乏な地域に、20メートル級の津波がきても大丈夫防波堤はできないだろう。出来ることに越したことはないが、それよりも、少なくとも地震が来て最短で8分は時間があるから、日頃から自治体、町会が一体となって日頃からよく訓練をしておくべきだと思う。

 今、私が見ている防災マップの見直しをしているかどうかはわからないが、ネットの写真地図を見ながら、「教会はこんなに海に近かったのか」とため息をついている。

ボランティア現地活動報告会

 5月18日午後6時30分から金光教銀座教会において、金光教首都圏地震災害ボランティア支援機構現地活動報告会があった。約40数名の方が参加され、寮から10人が参加した。まず、首都圏フォーラム議長から、これまでの経緯が述べられ、その後宮川昌也氏、森本幸恵氏、阪本正雄氏から、それぞれ体験発表があった。

 これまでも当ブログで書いてきたように、気仙沼教会教信徒をはじめボランティアの人々と地域の方々が一体となって「人が人を助ける」働きが展開し、大きな支えになっていること、具体的なボランティアについては、泥かき、瓦礫の撤去、清掃、運搬等々力のいるしんどい内容もあるが、女性や年輩の方々も出来る例えば、障子張り、お店やお家の整理・清掃、足湯の補助や話し相手、炊き出し、物資の仕分け等々、ボランティアの内容は多岐にわたり、老若男女活躍する場所はあるとの報告があった。

 その後、気仙沼教会長奥原先生のビデオレターが流された。奥原先生は首都圏フォーラム等の支援にお礼を申され、そしてまずは現地に来てこの現実、事実を見てほしいと訴えられた。最後に事務局の方から、ボランティア募集の注意点や、金光大阪高校の生徒も順次ボランティア活動に参加することなどの報告があった。

 聞いていた寮生たちも、相当に期するところがあったようで、上級生は就活、新入生はまだ始まったばかりで授業等がある中で、何とか繰り合わせて参加したいと口々に語っていた。6月くらいからは、だんだんに参加してくれそうで、大いに期待しているところである。

「東日本大震災支援報告会」

 5月18日に首都圏フォーラム壮年教師会主催の「東日本大震災支援報告会」が開催される。詳しくは金光教首都圏地震等災害ボランティア支援機構のHP
http://shutoken.konko.jp/support/index.html

 東京近郊の方は、是非ご参加ください。

 また、東京センター主催の第29回金光教東京平和集会も、これまで進めてきたことを一旦中止し、東日本大地震復興支援集会として開催することを決定。明日の企画会議を経て、具体的に企画を進めたいと願っている。

 そのような中、私諸事情でプロバイダーを変更した。これがもう大変。専門用語はわからないが、職員寮側にLANで引っ張っていたものが不通になったため、寮室内パソコン環境の設定やモデムの交換が必要となった。

 まずは新しいプロバイダーのモデムからハブでつないだがダメ。よくよくプロバイダーの説明書を読むと、ハブではなくてルーターでなければダメのよう。今日ようやく新調し、まずは開通。

 また、今まで無線で問題なかったWi-Fiの電波が不通。原因がわからず、これまた専門用語がわからないが、専用のアンテナのようなものが無料ということで現在取り寄せ中。

 さて、いちばん面倒なのが既定のメールアドレスが使用不可能になったこと。このメールアドレス変更が大変。楽天等々、最近ほとんどネットで取引していたところの登録をすべて変更しなければならない。これがなかなかできない。それでで皆さまへの連絡も遅れている。

※そのようなことで、皆さまにもご迷惑をおかけするかもしれません。来週一杯東京センターや瓦版印刷等で御用が詰まっており、不都合が生じた場合は誠に申し訳ありませんが、お電話ください。

地震に乗じた詐欺

 5月13日付『毎日新聞』に悪徳商法という私の最も嫌う記事が出ていた。それもこの東日本大地震に乗じて被災者を狙ったものだ。震災から一ヶ月の相談件数は7258件もあるそうだ。そしてさらに増える可能性があるという。

 その手口は、「屋根がずれているから直した方がいい」等、「点検」が名目で高額な料金を請求するケース、また放射の汚染問題から「放射能除去サプリ」や「浄水器」の売り付け、架空の団体名を名乗る義援金詐欺も多発しているようだ。

 こうした人の「善意」、「良心」、「不安」を突いた詐欺は許し難い。被災者で騙された方は二重の苦しみを味わい、人間不信に陥る。私は勧誘電話だけでも、嫌な気分になるし、逆ギレされて胸は痛むし、へこんだこともある。まして騙された方の心情を思うと本当にやりきれない。

 詐欺のやり口も巧妙になっている今日、「騙される方が悪い」という自己責任論では減らないであろう。何とかやめさせる方法はないものか。もちろん自己防衛も必要だ。契約の注意点や信頼できる見極め方の(後掲)勉強も必要だろう。それにしても本当に悲しい。

■屋根工事の契約の注意点
  ・業者の名刺をもらい連絡先と名前を確認
  ・見積書を出してもらう
  ・できれば複数業者の見積書を比較する
 ・国家資格「かわらぶき技能士」や連盟資格「瓦屋根診断技士」があればベター

■信頼できる寄付先の見極め方
 ・誰が寄付金を集め、管理しているか尋ねる
  ・募金の目的、どんな活動に使うのか尋ねる
 ・寄付金や使途の収支報告書を確認する
 ・行動や施設内での募金活動をしている場合、道路や施設の使用許可を持っているか確認する
  ・できるだけ領収書をもらう
 (5月13日付『毎日新聞』13面「東日本大震災34 暮らしどうなる?」より抜粋)

「人間がいなくなってしまえば・・・・・」

 「子々孫々どうなるか、歴史に対する責任がありますね。いったい、安全性は確立したんですか。人間がいなくなってしまえば、電気も必要なくなるでしょう。ちがいますか」 これは『日本の原発危険地帯』という本の中にある言葉で、中国電力による島根県の原発設置をめぐる取材で、地元の漁業関係者が著者の鎌田氏に語られた言葉だそうだ。(『毎日新聞』5.10付15面 みんなの広場「地震国・日本で原発は成り立つか」より)

 同じ『毎日新聞』本日付4面の『週刊新潮』の広告に、「『原発ゼロ』なら日本はどうなるか!火力と水力をフル稼働なら電力料金は跳ねあがり、食卓から冷凍食品が消える」とある。記事の中身を読んでないので軽々には言えないが、これだけみると「原子力を認めなければ大変なことになるよ」と脅しているようにもとれる。

 しかし、冒頭の漁師さんの、「人間がいなくなってしまえば、電気も必要なくなるでしょう。ちがいますか」のお言葉は非常に重たく響いてくる。それが当たり前のことなのだ。そして、現実に福島原発周辺に人間がいなくなっている。私は原発問題を考えるときには、少なくとも便利さ、快適さや経済効率という今ある豊かさではなくて、人間個々人の命の大切さ、尊さを根本に据えなければならないと思う。

5月の月例祭執行

 昨日、5月の東京学生寮月例祭が滞りなく仕えられた。祭主・教話は運営委員の子安教会村田先生。村田先生には、もう何年も運営委員になる前から食事会のお世話になっており、いつも美味しいお魚料理を用意してくれる。一年に一度は食事当番になっていただき、昨日は祭主に教話に食事会当番と本当にありがたいことである。

 最近かどうか、若い年代でもみんな魚が大好き。一人暮らしでなかなか食べる機会がないから、みんな大喜び。昨日はカツオを二匹分、あらかじめ教会でさばいていただき、本当に重いのに遠いところを持って来てくださった。

 4時30分頃、到着。用意している間、ここのところ沖縄遺骨収集にいった寮生が「戦争と平和に関する勉強会」を開いており、昨日は2回目。なんと8人も集まっていた。月例祭は午後7時から集会室で仕えられ、その後教話をいただいた。

 あの3月11日、実は村田先生は入寮希望者との面談で寮にきておられ、帰りの山手線走行中の電車の中で地震に遭遇。午後2時半頃出発したにもかかわらず、教会に着いたのはなんと午前2時。約12時間、電車と徒歩とバスとそして最後にまた徒歩、その間タクシーを待つが乗れなかったこと等をおもしろおかしくお話しになったが、この日は寒風すさまじく、それはそれは大変だったろうと思う。

 その後、首都圏フォーラムの復興支援の具体的方法や可能性を調査するため、先遣隊としていち早く気仙沼入りした時の様子をお話になった。気仙沼教会に隣接する紫神社での炊き出しは、NHKテレビでも紹介され、一人一役の被災者が被災者を助ける働きができていたこと。その避難所の中心的役割を気仙沼教会と信徒の方が担っていること。

 また、当ブログでも紹介した気仙沼教会の掲示板に掲げられた「何とかなる」との言葉が行き交う人々の励ましに大いになっていること。教会のお広前にまで避難された方を受け入れるという教信徒、教会、信奉者会館等教会すべてをあげて支援に取り組まれている様子を紹介され、それぞれ寮生のみんなも、「持ち場立場でできるところを是非行動していただき、世のお役に立ってほしい」と話された。

 その後、カツオの刺身、2種類の味付けの「たたき」に寮生一同舌鼓を打ち、楽しいひとときを過ごした。感謝。

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