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神様の願いに沿う方向

 哲学者の梅原猛氏は、長年の自民党支持者であり、伝統文化を大切にする保守派の論客と思っていた。その梅原氏が東京新聞の文化欄に「9条は伝統に沿う」とのコラム記事を書いていた。

 「九条の会の呼びかけ人に名を連ねたほどの頑固な護憲論者である」と自己紹介し、「外国からの攻撃に対して万全の備えをするが、決して外国を攻撃しない軍隊を持つことこそ日本の名誉ある伝統である」と。また、「カントの『永久平和論』にそう軍隊」でもあり、「自衛隊こそまさに日本の伝統に沿う」と主張している。

 その根拠について、「日本は、攻めてくる外国との戦いでは、元寇といい日露戦争といい、赫々(かくかく)たる勝利を収めたが、外国に攻めた戦争は敗戦に終わった。白村江の戦い、秀吉の朝鮮出兵、及び満州事変に始まる十五年戦争、ことこどく惨敗であった」と述べている。

 世の中、お巡りさんは少なければ少なくてすんだ方が健全な社会であろう。あちこちにお巡りさんがいて、監視カメラだらけの街はやはり住みづらい。軍隊も軍事力もそうだと思う。軍隊よりは自衛隊、自衛隊よりはサンダーバード(国際緊急援助隊)の方がいい。

 人と人とが共に助け合って助かる世界を願っておられる天地金乃神様の願いにも沿う方向だと思う。

「三方よし」改め「八方よし」

 先日の気仙沼ボランティア、第一日夜のミーティングの時である。またまた血液型で話が盛り上がり、井上さんはB型、板東さんはAB型と立て続けに当てた。

 かく言う私はBの純型。父母もB。その兄弟もほとんどB。妹もBで、その旦那もBで、その子らもB。唯一私の女房だけがO。ただしBOで私の子供は二人ともB。夏にみんな集まるともうBだらけである。

 金光教の教師にはB型が多い。ある説によるとB型はアウトサイダーで、芸術家や宗教家、やくざに多いそうだ。科学的根拠はないのだが、不思議と当たっているので血液型談義はいつも楽しんでしまう。

 誰かが「B型は八方美人が多い」とおっしゃる。私は「八方美人ではなくて、あなたよし、私よし、社会よしの『三方よし』です」と答えた。「三方よし」とは、近江商人の行動哲学で、「売り手よし、買い手よし、世間よし」というもの。売り手の都合だけで商いをするのではなく、買い手が心の底から満足し、さらに商いを通じて地域社会の発展や福利の増進に貢献しなければならないという意味。

 すると間髪入れず奥原先生が、「家族が入ってない」。みんな「そうだ、そうだ」と同調。清水さん曰く「三方じゃあだめで、八方でなくては」。なるほど八波の旗も八方向だ。この一言にヒントを得た。三方改め「八方よし」だ。

 すなわち、「天地よし、神様よし、御霊様よし、世界よし、世間よし、家族よし、あなたよし、私よし」である。何事もトレードオフの関係を乗り越え、win-winを実現する、全てを大切に、全てをよしとしていく道である。

改憲問題に思う。

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 安部総理は改憲を目指し、憲法改正の発議要件を定めた96条の改正に賛成する与野党の勢力結集を目指す考えを強調しています。現在の政治状況からいくといよいよ改憲は時間の問題です。

 そこで改めて私の考えを示しておきたいと思います。改憲問題には人権や自由の制限、また新しい人権等々、個人と国家、個人と公の関係の問題など諸々ある中で、ここでは9条1本、平和と戦争の問題に絞ります。

 日本国民のほとんどは平和は大切で戦争は反対だと思います。ヘーゲルのような戦争必要論者もいるかもしれないので「ほとんど」と言いましたが、真に好戦的な人はいないと思います。

 「戦争はダメ」。日本ではここまでは保守もリベラルも、右も左も、タカ派もハト派も、現実主義者も理想主義者もそうと思います。かの有名な「正戦論」も、戦争を肯定しているのではなく、戦争をより正しいものと不正なものとに選り分けて、戦争を防ぐ論ですから。

 戦争はダメ、ここまでは同じだと思います。では、どこから分かれるのでしょうか。一言で言えば、「武力なき武力抑止は可能か?」この1点であります。

 つまり、戦争をどうなくすか、どう平和を実現するかで意見が分かれます。平和主義者はあくまでも平和的手段をもって平和の実現を目指すため護憲を主張します。これに対し改憲論者は、武力によって平和を達成しようとします。非軍事か軍事かで分かれます。

 現在の国際情勢、日本周辺では虎視眈々と権益をねらっている国々やミサイルをぶっ放している国が存在します。世界ではテロが頻発、治まる気配もありません。誰が見ても非軍事は夢物語といわれても仕方がないでしょう。バランス・オブ・パワー(勢力均衡)による平和維持も理解できます。

 だからこその自衛隊であります。その最大の特色である専守防衛は、相手に撃たしてから撃つ「ガンマンの正義」にも通じます。あの格好良さは私は好きです。いや本筋から外れました。失礼。自衛隊は立派な軍隊だと言われていますように実力はあります。軍隊と自衛隊は違いますが、国防は十分可能だと思います。

 それでは「陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない」との条文は現実と乖離している問題はどうなのかと問われます。皆さん普通に考えてみてください。憲法は法律、規範であります。現実に実現していないからこそ規範です。実際に差別があるからこそ、憲法第14条があります。現実に殺人が起きているから、法律が「殺人をしてもいい」とはまさかならないでしょう。

 もう一つ憲法学者の長谷部恭男氏は、憲法には「準則」(ある問題に対する答えを一義的に定める規範)と「原理」(答えをある特定の方向へと導く力として働くにとどまる規範)があるとし、9条は原理であり、向かうべき方向性を示していると仰ってます。

 戦争を抑止するために武力が必要としている皆さんも、もし武力によらず平和が実現できたらそれに越したことはないと考えていると思います。違うでしょうか。今は無理であるとしても、近い将来実現する可能性は十分にあると私は思います。

 だからこその憲法9条であり、軍隊とは違う自衛隊なのであります。その自衛隊も極力武力を使用しないサンダーバード的な組織にだんだんになって行けばいいと願っているのです。それが向かうべき方向性です。今でいう軍隊化は方向性が真逆なのではと思うのが私の意見であります。

 「国柄」も大事でしょう。「アメリカ・自由」、「フランス・人権」、「ドイツ・環境」、「中国・平等」等々あるでしょう。道義国家もいいでしょうが、私は日本の国柄は聖徳太子の17条憲法以来、「和を以て貴しと為す」平和だと確信しています。平和道義国家でどうでしょう。

 で、改憲論者の皆さまにも、護憲派の人々を端から「空想的平和主義は通用しない」と言うのではなく、また護憲派の皆さまも改憲派の人々を端から「好戦的戦争主義」だと今にでも戦争を始めるような主張だけをするのではなく、互いに議論を深めてほしいと思います。

 私の立場としては長々と申し述べてきたように、軍隊でなく自衛隊の線で十分に国防は可能であり、国際貢献も平和国家日本としてのできることをもうどこの国にも負けないくらい貢献すれば世界も理解してくれるのではと思っています。

 逆に軍隊にする方が他国に脅威を与え、いわゆる「安全保障のジレンマ」に陥り、より攻められたり、戦争に巻き込まれる危険性が増すと思っています。「自衛隊はれっきとした軍隊だから国防軍」にとか、「外国では軍隊と見ているから」という理由だけで軍隊ではあまりにも安易すぎると思います。平和実現のために、是非よい知恵をお貸しください。

東京学生寮月例祭・食事会

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 昨日は午前中、ぎりぎり天候のおかけを蒙り、一斉芝刈り、草取りを行い、夜の7時からは、東京寮運営委員で国際センター次長の森本幸恵先生ご祭主のもとに5月の月例祭が滞りなく仕えられました。その後森本先生から概要次のような教話を賜りました。

 「国際センターでは、教会のないオーストラリアやドイツ、イギリスなどで集会を開いてます。イギリスでは毎年金光教の集会を開き、そこにこの集会で初めて金光教を知って参加され、その後毎年来られているMさんという方がいます。Mさんは金光教のどこに魅力を感じて参加しているのか知りたいと思っていましたが、ある時Mさんが『私は祈られていることが嬉しくて参加するの』と言われました。祈られていることは心強いことです。

 私もフランスに留学していた頃体調を崩し、泣きながら母に電話したら『大丈夫よ。御祈念しているからね』と励ましてくれました。私はほっとしてすごく安心した覚えがあります。皆さんも、ご両親に祈られており、教会の先生に祈られており、それから辻井先生が毎朝この場所で御祈念されて皆さんのことを御祈念しておられます。

 この祈られていることを感じて頂き、それを感じたら是非他の人のことも神様に祈ってほしい。祈りは一見無力ですがそんなことはなく、神様は一人一人の願いをちゃんと聞いて下さっています。自分のことを願っていれば自分のことだけですが、他の人のことを願うと一緒に喜ぶことができます。自分も他の人も神様も喜ぶことになります。祈れば必ずお働き下さいますので、是非何でも神様にお願いして頂きたいと思います」。

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 引き続いて、東京都教会連合会と首都圏フォーラムが主催の「金光教祖130年記念集会」のキャンペーンに日本橋教会長の畑敦先生が来寮、概要次のようなお話を賜りました。

 「この集会の一番のポイントは『喜びを共にする』ということです。例えば皆さんが大学に合格すると皆さんも嬉しいし親も嬉しい。皆さんが1嬉しいと親御さんはその10倍嬉しい。逆に皆さんが1辛い思いをしますと親御さんは10倍辛く、悲しい思いをします。そのように共に喜んでいくことが大きな幸せになっていきます。この集会にここまでおかけを蒙ってきたお礼、喜びを結集して、さらに大きくその喜びの輪を広げていきたいと願っています。是非ご協力頂きたいと願っています 」。

 

 

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 続いての食事会。今回の当番は中国からの留学生3(男1、女2)人による手羽元のコーラ煮、水餃子、トマトと卵のスープ、春雨スープ、水菜の昆布サラダ等々。名古屋から今年入ったT君が何度も何度も「これは美味しい」と叫んでいたのが印象的でした。本当に美味しかったです。感謝、感謝。先生方も夜10時30分頃までおられ、部屋に帰る人も一人もなく、大いに盛り上がりました。

 

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ダジャレでも人は助かる。

 今日の「とくダネ」を見ていたら、猪瀬東京都知事の東京オリンピック招致に関する不適切発言を話題にしていた。その中でコメンテーターとして出演中のデーブスペクター氏が「これ以上言うと、承知(招致)しないぞ」とダジャレをとばし、大笑いしてしまった。

 そこで思い出したのが、たかがダジャレでも人を救うことがあるということ。以前当ブログでも書いた覚えがあるのだが、検索にかかってこないのでもう一度。

 全国高校野球大会、愛知県地方大会の決勝、甲子園確実と言われた高校が苦戦していた。1点差負けで9回を迎え、その裏2アウト満塁一打同点の場面、打席にはA君。フルカウントまで粘った末の空振り三振、甲子園の夢が潰えた。

 A君、その後高校は卒業をしたものの責任を背負い込み、そのまま引きこもりの生活が2年も続いてしまっていた。あるとき久しぶりにテレビを見ていると、デーブスペクターのいつものだじゃれが炸裂した。

 「案ずるより、横山やすし」

 A君は2年ぶりに笑ったそうだ。そしてこのとき大笑いしたことがきっかけとなり、だんだんに社会復帰を果たしたそうだ。A君にとってはデーブスペクター氏の言葉が「救いの言葉」となり、デーブスペクター氏を命の恩人と感謝しているそうだ。

 この話があるテレビ番組で特集され、偶然見ていた。愛知県大会の最後の瞬間の映像も流れ、私も涙なくして見ることができなかった。その番組ではサプライズでデーブスペクター氏がそのA君の自宅を訪れ、涙の対面。いい番組であった。

 皆さんも、迷ったり、悩んだりしたときは、「案ずるより、横山やすし」でいきましょう(*^_^*)

※横山やすし氏は、西川きよし氏と漫才コンビを君で活躍した漫才師で、「やすきよ漫才」と呼ばれ、一世を風靡した。