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夢見る使い捨て労働者 3

 こうした「二極化」は、「勝ち組、負け組」という言葉に象徴されるようにみんなすでに気がついている。しかし、ことのほかおとなしいのである。「私は勝ち組」と思っているのだろうか。違う。勝ち組はほんのわずかの人だ。政治の総保守化、労働組合ががたがたに解体されてしまったからであろうか。ずっと疑問に思っていた。
 
 その疑問に最近ある回答を得た。岩波新書『安心のファシズム』で斉藤貴男氏が書いている。「騙されつつしかし多くの人々は自らの置かれた立場にどこかで感づいている。つもり積もった不満や不安を、だからといって権力を有する元凶にぶつければ報復が怖い。より立場の弱い人々に八つ当たりし、あるいは差別の牙を剥いて、内心の安定を図るようになっていく。この傾向に拍車をかけたのがインターネットの掲示板である。代表的な掲示板『2ちゃんねる』については、もはや説明を要しないだろう」。

 何とも寂しい、情けない世の中になってしまったものだ。政治や教育、文化の力はますますなくなっている。ここで何とかしなければこのままではとんでもない世の中になること必定である。

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