« | »

娘の文化祭の思う

 先日、娘が通っている高校の文化祭に行った。娘は、高校からは軽音楽部に入っている。最初はエレキギターから始まったが、バンド編成事情からドラムへと転身。自分でアルバイトをして消音ドラムを買った。

 軽音楽部には、30近くのバンドがあるらしく、誰でもが文化祭に出場できない。先日そのオーディションに受かったと聞いた。但し1日だけ。上手なバンドは2日出られるという。まだ結成4か月くらいだから、女性バンドでは学年で一番下手とのこと。

 高校へ行く途中、妻が「ビデオ持ってこなかったの」と聞いてきた。私は正直、聴くに堪えられないのではと思い、端からビデオで撮ろうという気もなかった。会場となる体育館は暗幕で覆われ、むんむん。体育館正面にはダンス部の踊りのスペース、反対側に軽音楽部用のステージが設けられている。

 正面側でAKB48の曲が大音響で響き渡り、10数人の女子高校生が踊り出した。反対側から遠目に見ていると、そこに娘が「次、こっちで始まるから」と寄ってきた。バイト先の先輩や中学校の友人も来てくれている。ダンス部の曲目が終わり、「アンコール」の連呼。妻が「もうスタンバってるよ」との声に振り替えると、娘がすでにドラムの席についていた。

 エレキとベースとドラムの3人構成。またまた親バカぶりを発揮するが、曲が始まって驚いた。上手なのだ。「しまった、ビデオを持ってくればよかった」と本当にびっくりした。司会のエレキの子の会話の乗りもいい。たった15分の演奏であったが来てよかった。

 そして私も高校時代を思い出した。こう見えても昔は一時期ロックンローラーを気取り、高校の文化祭ではエレキでならした。「アンコール」との声の嵐の中で、自分たちの持ち時間をオーバーして生徒会から電源を落とされた経験がある。前にもここで書いたと思うが、1学年下のワイパフ教会の安武くんがベースを担当してくれていた。

 無性に自分もやりたくなった。今さら親父バンドではないが、しかしギターはもうほとんど忘れてしまった。そして、ふと不思議に思ったことがある。実は私も本当はギターでなくてドラムに憧れていた。また行進曲も好きで、トランペットにも憧れていた。

 トランペットは息子が中学校3年間、吹奏楽部で頑張り、娘が今ドラムをやっている。これといって勧めたわけではないが、無意識にいろいろ言ってたかもしれない。いやもし言っていれば、子どもたちはやっていないだろう。

 「勉強しろ、しろ」と言っても、子どもは絶対に勉強しない。うちみたいに何も言わなかったら、ますます勉強しないから難しいところではあるが、親がしゃかりきになるとだいたいが失敗する。親の子どもに対する願いは、「さりげなく」がいい。子どもは親の全体、本音、本質をすでにお見通しなのだから。 

Comment & Trackback

Trackback are closed.

No comments.

Comment





XHTML: You can use these tags:
<a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <s> <strike> <strong>