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「いのちのつながり」から見る

 今年は国連国際生物多様性年であり、来月名古屋でその会議が開かれる。いのちは、他のいのちによって成り立つ。この食物連鎖による生態系の中ですべての生があった。しかし人類のみ、その需要をはるかに超えて乱開発し、生態系を乱した。

 「環境」を、ヒト中心において考えてきた過ちからである。改めて、「つながるいのち」、「いのちの恵み」の大切さを知るために、生物多様性の観点から、単に人類生存のための持続可能な利用だけではない問い直しが迫られている。

 そのヒトである私たち人間社会はどうか。特にわが国では経済や社会構造の変化から、1年間で3万人以上の方が誰にも気がつかれず孤独死しているのが現実である。ここにも「いのちのつながり」はない。

 また、尖閣諸島周辺での中国漁船衝突事件により、その背景にある国と国との境界線の問題でまだゾロ日中関係が悪化し、文化交流まで大影響を受けている。ここでも互いの主張のみで、「いのちのつながり」はない。

 確かにどの問題もその解決は容易ではない。しかし、ますますグローバル化が進む国際社会と地球生態系全体の中で、そのすべての領域において、「分断」、「対立」、「訌争」ではなく、「連帯」、「協同」、「共生」原理による社会構築が必要であり、それがあるべき地球社会ではないかと思う。

 なぜ、「共生」か。それは共生のないところには、「共滅」しか待ってないのだから。

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