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憲法「改正」について 終

 もちろん改憲論者たちは、日本人の戦死者や戦争犠牲者が出るのはすでに織り込み済みである。ゆえにこぞって靖国神社に参拝し備えている。が、これを国民に対してストレートにいうと、とても改正は無理となるので、北朝鮮脅威論や国際貢献論、一国平和主義批判を展開しているのである。

 国際協力もまるで軍事力かお金の貢献しかないような言い方しかしない。しかし、難民や亡命者の受け入れなど国内人権問題を棚に上げておいて、他国の人道人権問題に軍隊を送り込むのは説得力がない。
 
 安全保障政策の変更も国際貢献も、軍事力ではなく、平和憲法を展開する形での具体的な方策はあるのだ。日本はあくまでも軍事力によらない平和を訴え、紛争の原因究明や予防、法による武力行使や兵器の規制、医療、教育、社会整備の援助、平和研究や教育、文化の向上等に尽力をつくすべきである。

 思想的な考え方や具体的な政策や方策についても、大沢真幸著『現実の向こう』(春秋社)という本を是非読んで頂きたい。北朝鮮からの難民をいくららでも受け入れる覚悟を決め、「北朝鮮民主化計画」を進めることや、自衛隊を解体もしくは、大幅に縮小し、「海外援助隊」か「平和部隊」に改組する。そしてどんな軍事同盟とも関係なく、世界中の貧困地域や紛争地域で海外援助を継続的に行う。それも第三者経由ではなくて、自らが行って「直接的な贈与」を行う。この方が軍隊ではないがゆえにむしろ安全だと述べている。

 以上、こんにち安易に軍事力を肯定する風潮の中で、本当に憲法の真の平和主義を捨ててもいいのか。当然変える方も「平和のため」にと主張してくる。しかし、変えてしまえば明らかに現状より後退することは明らかである。これからは、ただ憲法を守るというだけでなく、英知を結集して平和憲法を展開する形での様々な方策を生みだし、実践することが一番必要なことではないかと思う。(終わり)

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