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「長期絶対隔離保管猛毒危険物」

 先ほどのニュースで、はじめて福島原発4号機の内部映像が公開された。現在でも一番危険なのが使用済み燃料プールの中にある1500本もの燃料棒だ。これが崩落すると相当数の範囲の人が避難しなければならない。もちろん東京も入る。
 夕方フジテレビともう一つの民放のニュースでは、燃料プールの補強や水位や傾きについての報道はあったが、崩落するとどうなるかとの言及はなかった。さっきの7時のNHKのニュースでは、事故当時これが崩落すると東京都民の避難命令も想定されていたとし、現在、震度6強の地震がきても耐えられるとの報道があった。
 補強の解説があったが、映像を見るとあの程度の補強で本当に耐えうるのかどうしても心配になる。また、もしでは震度7弱がきたらどうなるのか。政府もマスコミも本当に恐いことは公表しない。政府や電力会社の言うことを「ハイそうですか」と簡単に納得できないのだ。
 大飯原発の再稼働では「福島級の地震や津波がきても安心ですよ」と言うが、それではもしそれ以上のがきたらどうするのか。先に安全、安心ではなくて、最初に危険ありきではないのか。危険だからこその安全対策ではないか。安全神話は完全に崩れたのだ。
 にもかかわらず、危険ではない、危険ではないと思わすことにしか意識がいっていないのではないか。何度も指摘しているが、戦前の大本営発表のごとく、現在でも言葉の使い方が間違っていると思う。
 例えば、核燃料棒も「放射性廃棄物」という言い方をし、単なるゴミのような響きで、それほど危険物ではないような印象を与える。ところが、これは第一級の危険物、いや特級の危険物である。池澤夏樹さんが朝日新聞に書いていたが、「長期絶対隔離保管猛毒危険物」と呼ばなければならない代物なのである。

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