11月27日、文京シビックセンター・スカイホール(東京都文京区)で評論家の芹沢俊介氏を招き、こんこう文化講座(金光教東京センター主催)が開催された。講題は、「新しい家族のかたち~現代をサバイバルするための親子論~」。講師の芹沢氏は、文芸、教育、家庭など、幅広い分野で評論活動に取り組まれ、現在では、現代の家庭や学校の問題について独自の視点で分析を進められている。
芹沢氏の指摘では、現在日本のほとんどの家庭が「教育家族化」しているという。そして「不安増減方」を使って子どもを教育している。これは、恐らく脅したり、すかしたり、なだめたりして、不安をあおって親の思うとおりにさせる育て方のことと思う。
講師は、そうした「させる子育て」は、表面上は「いい子」であるが、実は自分を生きてなく、生きさせられることを子どもに強いているという。家庭では「いい子」であるのに、幼稚園や学校では「困った子」というパターンが多い。これは自己喪失状態の2面性を強いられ、いい子と困った子は表裏であり、「見捨てられ不安」におののいているという。
こうした「させる子育て」の行き詰まりが親の子に対する虐待になったり、子どもが引き起こす事件の原因となっている。そこで、「させる教育」ではなくて、すべてを受け止めていく、「ある」ことをすべて受け入れ、「ある」をつくる場をつくっていく、つまり起きてくることをまずはすべて受容していく教育の必要性を述べられた。
しかし、親としてはこれはなかなか難しい。そこで不安増減方を使わない、よりよいしつけの方法について質問した。講師は、「しつけはいらない。箸の上げ下ろしやあいさつは何とでもなる。しつけは親の生き方そのものだ」と言い切られた。虚をつかれた。全くその通りで、問題は親の生き方、その生き方を強いてくる社会のあり方にまで及ぶものだ。単に子育ての方法だけではなくて、現代社会そのものや現代文明論まで含み混んだ問題である。多くの著書があるので勉強したい。

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