2008年7月アーカイブ

中間の味

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東西で味や習慣に違いがあるのはよく知られている。卵焼きの味や、「きつねどん兵衛」のだし、お餅の形などである。その境目がどこにあるか。東西であるから日本を縦に切るとわがふるさと紀州勝浦付近もその境目となる。

『朝日新聞』によると紀州勝浦は、お餅は関東圏に同じく角餅、卵焼きは関西の薄味圏に入り、どん兵衛も関西だし。しかし、私の小さい頃、卵焼きは甘口だった。金光学園で岡山に住んだ時、卵焼きの味がおかしく、それはなぜか確かめたことをよく覚えている。しかし、勝浦の甘口は関東とも少し違う。中間の味なのだ。

このように、中間や境目で面白いのは、その地理的な位置と共に味も東西、左右のちょうど間をとっていることである。今はもうなくなってしまって非常に残念だが、教会のすぐ近くにあった「いずみ屋」のうどんのだし汁の色は、名古屋と大阪のちょうど中間の色であった。名古屋のきしめんなどは、東京より薄いが大阪よりは濃い。その名古屋と大阪のまた中間の色であった。

それから和歌山ラーメン。色々と和歌山ラーメン誕生の秘話があるが、そのスープは九州豚骨と関東醤油味を混ぜたちょうど中間の味。うどんのだし汁の色同様茶色の中間色だ。ただ残念なことに、うどんは讃岐や関西のうどん屋が出店してきて、昔ながらのお好み焼き屋さんや駄菓子屋さんとくっついたうどん屋さんがほとんどなくなってしまった。たかがうどんではあるが、中庸、中道の文化が消えていくのは寂しく、残念でならない。

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