補陀洛渡海

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 一昨日、昨日と残念ながら映ってなかったみたい。一昨日放映のあった補陀洛(ふだらく)寺は、補陀洛渡海で有名な寺。補陀洛とは古代サンスクリット語の観音浄土を意味する「ポータラカ」の音訳だ。その極楽浄土を目指して、僧侶が生きたまま小舟に乗り込み、那智の浜を船出した。

 平安時代から江戸時代まで25人の僧が渡ったそう。テレビでも言っていたが、16世紀後半、金光坊(こんこうぼう)という僧が渡海に出たものの、途中で屋形から脱出して付近の島に上陸してしまい、たちまち捕らえられて海に投げ込まれるという事件が起こった。

 後にその島は「金光坊島(こんこぶじま)」とよばれるようになり、那智勝浦町の地図にも乗っている。もちろん、金光教の金光とは全く関係ないのではあるが、小さい頃から気になっていた。

 私が大学生くらいだったと思うが、井上靖がこの事件を小説化した『補陀洛渡海記』という本を教えてもらい読んだことがある。なかなか面白い小説で皆様もぜひ読んでみてください。江戸時代には住職などの遺体を渡海船に載せて水葬するという形に変化したようだ。

 那智の浜は現在は海水浴場となっている。小さい頃、お盆が過ぎて海に入ると御霊が足を引っ張るとよく言われていた。那智の浜の波打ち際に立ってみると何かスーッと吸い込まれそうになる感覚を覚える。また、日の出時分に行くとまさにその海の向こうに極楽浄土なる世界があるような景色。皆様もぜひ一度お越し下さい。

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このページは、つっさんが2010年9月30日 15:27に書いたブログ記事です。

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