モンスターペアレンツ

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 「ピアニストになるために指を傷つけてはいけないので、休み時間は外に出さないで」、「うちの子がレギュラーに選ばれないのはおかしい」、この程度はまだまし。最近女房に聞いた話だが、学校の給食費の問題で、子供に「『いただきます』と言わなくていい」と言っている親がいるという。

 最初私は、ちゃんとお金を払っているので「いただきますと言わなくてもいい」という理由かと思ったら、給食費も払ってないという。「え、じゃ何で?」と聞き返すと、「こちらから給食を頼んだわけでもないんだから、いただきますと言わなくていい」と。

 「いただきます」の意味を取り違えているどころか、二重にも三重にも驚いた。こんな親御さんに育てられた子供たちが大きくなったら、一体どんな世の中になっているだろうか。想像するだけでも恐ろしくなる。

 「モンスターペアレンツ」という言葉がある。学校の先生に理不尽な要求をする保護者という意味だそうだ。その対策に東京都の教育委員会のマニュアルは、電話の受け答えとか、玄関まで見送るとか、いろいろと対処法を示しているそうだが、そういう問題じゃないだろうと思う。

 モンスターペアレンツという言葉にも問題がある。テレビドラマの「斉藤さん」 ではないが、言うべきことはちゃんと言わなければならない問題もあり、親の方もなかなか言いづらい雰囲気になってしまう恐れもある。

 逆に埼玉県では、先生が児童の親を裁判に訴える事態となっているそうだが、一番まずいのは学校側と保護者が対立関係になることであろう。悩む先生が増え、休職者も急増しているらしい。先生にだけはなりたくないという子も増えてきた。

 もう一度じっくりと教育のあり方を考えなければ。戦後教育を一方的に否定するのでなく、戦後の価値観である自由や平等、権利や差別といった言葉の根本的な意味合い、理念を問い直し、その上で倫理・道徳としてしっかりと教えていく必要がある。ここでも日本独特の左右の対立は、日本の不幸だと思う。

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このページは、つっさんが2011年1月22日 16:47に書いたブログ記事です。

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