日の目を見ることもある

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 もう十数年も前に『「捨てる技術」』辰巳渚著の本を読み、当時見事にその説にはまり、いろんなものを片付け、処分した経験がある。この本に猛然と反対論を述べた有名な評論家の方の本も読んだ。

 名前をど忘れして著者名がわからないが、要は、辰巳さんの説は一言で言えば、「いつか使うは二度とこないから捨てよ」であり、これに対して、そもそも物を置くスペースはキャパは決まっているのだから、入らなくなると自然に捨てる。何でもかんでも捨てるの間違いとの反論であった。

 どちらの説にも一理はあると思いながら、私はその後はやはり結局物をなかなか捨てることができなかった。最近、近藤麻理恵著『人生がときめく片付けの魔法』という本出され、よく売れているよう。まあ、この本も同じようなことかなと思ったが、これだけ売れているには何かあると思い買った。それを先に女房が読み、一日にしてはまり、片付けはじめた。

 さすがに10万部も売れる本は、これまでの固定観念を見事に崩し、なるほどと思わせる内容。ただ、この著者も辰巳さんの本を読んで影響を受けており、収納よりも捨てる方に重きがある。私はやはりなかなか捨てられないタイプなので、もう一つときめかない。

 そのような時に娘が非常に嬉しいこと言ってくれた。「お父さんのエレキギター、T君(彼氏?)が弾きやすいから貸してほしいと言っていたよ」と。私、「え!うそでしょ」。実は私こう見えても高校の時はロックンローラー。しかし、貧乏でギターなんか買えなかった。それでは練習にならないので無名の安物のギターを買った。それも月千円のローンで。

 大学に入ってからは、ほとんど弾くこともなかった。それを後生大事にそれから30数年も捨てずに持っていたら、何と日の目を見たのだ。辰巳さんなら間違いなく捨てられ、近藤さんの説の「ときめくものだけ残せ」にも当てはまらないから、本のご説のまま実践してたいらこのギターの復活はなかっただろう。

 この手の本を読むと、本当によく書けているので、ついつい著者の言にはまり込んで、後悔したこともある。何でもそうであるが、やはり自分自身の考え方や立ち処を意識しながら、参考にするべきは参考にするといった読み方がいいのだろう。そうとしても、家の物を片付け、リバウンドしたくないと思っている方は、このたびの近藤麻理恵さんの本は一読の価値はあり、目から鱗かも。

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このページは、つっさんが2011年6月 4日 19:40に書いたブログ記事です。

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