もう10数年前のことになるが、病原菌は人間より勤勉で賢いという内容の本を読んだことがある。確か、人類は細菌やウィルスとの戦いに勝利した、あるいは勝利できるという考えは間違いで、病原菌と共生しなければならないといった内容だったと記憶している。
当時は確かに共生という言葉が流行っていたが、病原菌との共生とは正直驚いた。人類は、抗生物質を発見し、対病原菌の武器として大いに活用、病原菌を駆逐、絶滅させる勢いであった。しかし、抗生物質の効かない耐性菌が現れ、まさにイタチごっこ様を呈している。この駆逐、絶滅させるという考えがそもそも間違いであるという。確かに花粉症などは、身のまわりを除菌しすぎて、抵抗力を失った結果と聞けば納得できる。
このことを思い出したのは、最近の朝日新聞だったか、産経新聞だったか(アイフォンで無料で産経新聞が読める)、トイレでふたを閉めて流すのと、開けたままで流すのでは、もしノロウィルスなどの病原菌がいた場合、空気中に残る量が全然違うとの記事。
実験によると開けたままでは座椅子のところから約20㌢近くも跳ね上がり、その後もしばらく空気中に漂っているそうだ。閉めた場合は、空気中には漂わないとのこと。
この「流す」、「流れる」ということで、はっと先程の病原菌のことを思い出したのだが、病原菌をまずは体の中に入れないよう、マスクをしたり、トイレのふたをしたり、また体内に入っても、それを長くとどめ置かないようそのまま早く体外へ流してしまう。
それによって病原菌を駆逐するのではなくて、発病にいたらないようにする発想だ。まさに病原菌との共生。菌は菌として、病原にしないということだろう。10数年前の書籍と数日前の新聞も、どちらもうる覚えでの文章で誠に申し訳ないが、詳しい方はまた教えてください。
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