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気仙沼ボランティア報告② (6/10~6/19) 10

 6月17日は、山口のSさん、神奈川のYさん、東京のIさんと私の4人で気仙沼市災害ボランティアセンターに向かった。午前9時、センターのスタッフさんが、「10人、○○地区の泥かき!!」と声がかかりました。

 私たちグルーブ一番のベテランSさんは当然のごとく手を挙げられ、それぞれ自分の名前を書いている付箋をスタッフさんに渡し、そのグルーブに編入された。私は「今日もきついな」と覚悟を決めたと思ったら、センターのスタッフさんが、「すみません、すでに4人は決まってました。4人降りてくれませんか」と。

 さすがに誰も即答の返事がない。センターのスタッフさんが私に近づいてきて、私の顔を見ながら、「ここの作業は相当きついですよ」と。その瞬間、私はぱっとスタッフさんの持っていたファンシーケースに貼られた付箋をとった。「きつい」という言葉に思わず反応してしまったのだ。

 面白いことに、私が付箋を引き取った瞬間、横浜のYさんが立て続けにとり、何を思ったか、すぐ左隣にいた外国人の方も付箋をとった。私たちはちょうど4人だったので、センタースタッフさんにとっては、ダブりが解消されたのでよかったと思う。この外国の方は全く関係なく知らない方だったのだが、何と不思議なもので次の日は一緒になるのだ。

 それはさておき、いろんな組み合わせでのグループが決まっていくなかで、私たちは、唐桑体育館での遺留品の整理のボランティアに決まった。ここには自衛隊の皆さまが、廃棄することができない思いでの品々を毎日運び込んでくる。位牌、写真、文集、持ち主が特定できそうな品々を仕分けし、整理しているところである。

P6171241.jpg 私たちは、早速に泥がついた写真を洗浄し、その後乾燥機にかけて乾かし、それを再アルバム化して収集された地区ごとに分類していく。20人程度が手分けして進めたため、結構はかどったと思ったが、何と写真だけでも万単位で集まっているとのこと。

P6171232.jpg 写真に写っている子供の誕生、入学、卒業、結婚式、それも相当古い白黒のものから、つい最近のものまで、その人たちが大丈夫だったかと思うと泥を流す手にどうしても力が入ってしまう。もちろん力を入れたらはがれてしまうので慎重にも慎重を期さなければならない。

P6171242.jpg 体育館全体に並べられた品々が、無事に持ち主に届くのであろうか。だんだんに必死の祈りをこめながらの作業となる。生活の再建を思うと今はそれところではないかもしれない。しかし、被災者の方々が探しに訪れ、自分の思い出の写真を見つけると涙を流して喜ばれると聞いた。こつこつと地味な作業だが、大切なボランティアだとつくづく思わされた。(つづく)