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「原発と憲法9条 ‐広島原爆10万倍の放射能と、どう向き合うか‐」講演会に参加

 5月7日、衆議院第2議員会館第5会議室において開催された「宗教者九条の和主催」の講演会に出席した。久し振りの衆議院会館、きれいに新築されていてびっくりした。講師は一橋大学イノベーション研究センター特任教授の所源亮(ところ げんすけ)氏で「原発と憲法9条 ‐広島原爆10万倍の放射能と、どう向き合うか‐」との講題のお話を承った。

 一言で言って衝撃的な内容であった。福島第一原子力発電所の事故の影響を、誰にでもできる当たり前の計算式で求めるとチェルノブイリ事故の約138倍もの放射性物質がばらまかれ、また広島原爆と比較すると、広島原爆の10万発分の死の灰が産出されたそう。

 そしてそのほとんどが海に放出され、太平洋側の魚への汚染は相当に進み、現在政府も東電も検査測定をしていない中で太平洋の魚は食べない方がいいと言う。また、原発はコストが低いことを売りにしているが、核燃料の製造・原発の解体・放射性廃棄物処理のコストをすべて勘案すると、とても経済的とは言えないもの。水力発電などを増やせば原発の必要性は全くなくなると主張された。

 

 原発事故による放射能汚染の実態を聞けば聞くほど怖くなる。このように危険という識者もいれば、安全という学者もいる。要は科学者といえどもどの程度被害がでるか誰もわからないのだ。わからないくらい怖いものはないし、本当に怖い話は政府も東電も絶対に言えない。そして経済の論理が優先し、誰も責任をとらないままにいつのまにか原子力に依存し、何事もなかったように日常が動く。

 いったい現在何が起こってるか、また起ころうとしているか。早くも地震にせよ、原発事故が風化していると言われる中で、しっかりと注視していく必要がある。過ちを繰り返さないために。