ドラマ「明日、ママがいない」に思う
ドラマ「明日、ママがいない」が波紋を広げている。多くのスポンサーが降りる中での放送継続はあまり聞いたことがない。実際ドラマを見ていないので何が問題なのかよく分からないが、リーダー格の子供が「赤ちゃんポスト」を想起させる「ポスト」と呼ばれている等が「子供や職員への偏見を与える」と批判されているらしい。
確かに『東京新聞』に出ている視聴者の声に考えさせられる。「見ていて不快」、「料理を作る青年と施設長のほかに職員がいない養護施設はありえない」、「現実とは違う」。
逆に「現代の闇の部分を照らす良心的なドラマ」、「ドラマは架空の話。誤解や偏見を招くからダメだというなら医療ドラマや刑事ドラマも作れない」、「これくらいで人権を持ち出して抗議していると、制作者を萎縮させ、二度と児童養護施設を扱えなくなる」などなど。
娘が昨年、大学の実習である児童養護施設に二週間泊まり込んだ。数日後にその厳しさに弱音をはく電話がかかってきたが、一度休みの時に帰ってきてリフレッシュして戻り、何とか最後までがんばったことがあった。
その時に担当になった子供たちとなかなかなじめなかったが、最後実習が終わって帰るときにプレゼントをもらい笑顔で送り出してくれたそうだ。ただ、なかなか厳しい現実を見、経験してきたようだ。
ドラマの話に戻るが、職員がいないというような現実とは違うところはできるだけ近づけることは必要だが、職員も把握できていないいろんな見えない現実もあると思う。
人権の最も大切な人間の尊重と表現の自由のバランスはなかなか難しいところではあるが、不愉快な思いをしている人がいる以上は誠実な対応をしながら、私はドラマを継続してほしいと思う。視聴率ほしさのセンセーショナルな描き方であるならば論外であるが、世の中にあまり知られていない問題も扱ってほしい。
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