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米軍機密文書「イラク戦争犠牲者10万9千人」

 10月23日付『朝日新聞』夕刊によると、イラク戦争を巡る米軍などの機密文書約40万件が、民間情報機関の手によって公表されたそうだ。米国政府は「米兵の命を危機にさらす」と機密の暴露を批判している。

 その文書によって、イラク戦争の死者は約10万9千人、そのうち約6万6千人が民間人だったことが明らかになった。米英両国はこれまで、死者数の公式な統計はないと主張したきた。国家は今も昔も平気でウソをつく。

 米軍の機密文書なので、10万9千人は実数であろう。いや実際はもっと多いと考えられる。ここでいえることは10万9千人の方が確実に亡くなっているということだ。人の命を数字で表現するとどうも無機質な感じになってしまうが、小金井市民がすべていなくなる数と同じなのだ。

 犠牲になられた方の周囲にいる家族、友人、関係者の数はさらに多く、その一人ひとりの苦悩を思うとやりきれない。イラク戦争が勃発した2002年から2003年のマスコミ、特にテレビに出ていた解説者の言を思い出し、改めて強く憤りを感じている。

 当時は小泉首相がいち早く支持を表明したように、その頃のマスコミの主流もイラク戦争支持かあるいは容認であった。その根拠となる論理が、このままフセインをのさばらしておくと多くのイラク市民が危機にさらされ、命を奪われるということであった。放っておくと無責任だと。

 しかし、現実はどうであったか。当時は大量破壊兵器を監視する国連査察団が常駐しており、イラク市民を虐殺することなど絶対にできない状況であった。私は当時、この国連査察団を制度化し、半永久的に続ける方がコストも断然安く、人が命を落とすこともないと主張した。

 当時イラク戦争を支持した人たちは、この10万人以上の犠牲、何の罪もないイラク市民6万6千人の犠牲の前にどう責任をとってくれるのだろう。平和のために軍事力、戦争に訴えることは断じてしてはならない。そのために、日頃からそうならないための不断の努力が必要なのだと思う。

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