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マンガ「憲法改正ってなあに?」に思う。

top[1]マンガ「憲法改正ってなあに?」PDF
http://jimin.ncss.nifty.com/pdf/pamphlet/kenoukaisei_manga_pamphlet.pdf

 「自民党憲法改正推進本部」が改憲 PRマンガを出版しました。ツッコミところが満載で、最後まで読むことができませんでした。ネットではナンか読みにくいですね(^_^;)。

 それにしても未だに「憲法押しつけ論」には驚きました。日本国の総理がついこの間アメリカに行って媚びを売り、いや失礼、アメリカを賞賛してきたばかりなのに・・・・・。

 フランスの思想家ルソーは、「近代戦争は敗戦国の憲法を変えること」とかなり昔に喝破しています。日本国憲法も仰る通りでした。成立過程がどうのこうのとやっていますが、そもそも戦争に負けたのですから、押しつけられて当然なんです。

 問題は中身。当時ほとんどの国民が歓迎して受け入れました。涙を飲んで嫌々押しつけられたのであれば、とうの昔に改正されているでしょう。また、これはすぐ後に出てきますが、アメリカ一国の考えで突然押しつけてきた内容ではないんです。

 それから、アメリカが日本の無力化を図ったと言ってます。ハイ、これも仰る通りでしょう。日本の指導者や軍部はもう100%負けると分かっていながら、多大な出血を強いて奮戦敢闘よく戦いました。恐れるのは当然であります。

 しかし、それもある一面なんです。無力化の象徴は憲法9条でしょう。次の条文を見てください。これは1928(昭和3年)にパリで締結された不戦条約の第1条です。

 「締約国は、国際紛争解決のために戦争に訴えることを非難し、かつ、その相互の関係において国家政策の手段として戦争を放棄することを、その各々の人民の名において厳粛に宣言する。」

 第一次世界大戦であまりに多くの犠牲者が出たために、人類は戦争違法化へと舵を切りました。何か似てませんでしょうか。そうです。日本国憲法第9条の原型ですね。

 この憲法9条は世界に類をみないものとして、改憲派は改正して「普通の国」を目指し、護憲派は9条を世界に展開させようと主張します。ですが9条は国連憲章など国際法とあわせ見ると、別に特別な条文ではなくて、世界標準、グローバルスタンダードなんです。

 国連憲章や9条がいう「武力不行使原則」は、悲惨な戦争を繰り返してきた人類が、地道にそして努力に努力を、苦労に苦労を重ねて作りだしたルールなんです。

 これもまた確か自民党の石破さんたちがよく言っていたと思いますが、「小学生でも分かるように書かなければならない」と。これも「あのね」と言いたい。小学生でもすぐに分かるようだったら、とっくに世界平和は実現しているでしょう。  

 「分かりやすい」という風潮は以前から危険だと思っていました。つまり考えない。考えないから耳に心地よいワンフレーズで『だっー』と流される。白か黒かを決めてもらわないと落ち着かない。グレー、曖昧さに耐えられないから融通がきかない、辛抱仕切れない。こちらの方がよほど問題でしょう。 

 分かりやすいマンガだから『ダメだ』と言っているのではありません。私なんかは活字の本を読むより、なぜかマンガの方が疲れます。マンガも考えるきっかけとなり、そこからよく議論することは大切でしょう。いろんな立場からいいマンガが出るよう期待しています。私に才能があれば・・・・(^^;)。

 第二次世界大戦後70年、分岐点にいることは間違いありません。7月19日に第33回金光教東京センター主催の東京平和集会が開催されます。ブログ一つ前の記事に詳細を載せてます。皆様ぜひご参加頂いて、一緒に考えましょう。

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