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第33回 沖縄遺骨収集奉仕参加 9 2006年2月

 もう一つ、疑問に思っていて今まで聞けなかったことについて、こちらから質問したわけではなく、その質問を予想していたかのように林先生が語ってくれた。びっくりしながら、いやこれはわざわざ神様が用意してくれたのではと恐縮した。

 それは収集されたご遺骨の数え方である。出発前の2月16日付当欄で私は「記録からいくとまだまだ何万単位でのご遺骨が残っているようだ」と書いた。しかし、これが間違っていた。いや本当は当たっているのだ。

 林先生はみんなが収集したご遺骨を、行政が管轄する納骨堂に納められる。その時の出来事。林先生が納骨堂にはいると、その数日前に東京からの奉仕団がきていたようで、その団体が収集したと思われる骨片が入ったビニール袋が6つ祭壇に置かれていた。ところがノートに記帳されている数は、6柱となっている。どう見ても1柱もなかったそうだ。

 かつては完全一体で初めて1柱と数えていたが、その後は頭蓋骨やのどの骨など人間が1つしか持っていない骨が見つかった場合も1柱と数えるようになったそうだ。それからもだんだんに曖昧になってきて、大腿骨など大きなものが二つ以上出てきた場合も「私たちはこれだけ集めた」という心理が働くのか、1柱として申告、受理されてきているそうだ。もちろん本教は完全一体で初めて1柱と報告している。

 こうなってくると、どうしても同じ人の骨でも何柱と多く数えてしまうのは当たり前。行政としては早く取り残しがないように報告したいがために、その方が都合がいいのである。結果、林先生によると県や厚生省は残5000人程度と正式に発表しているらしい。しかし、骨片だけで1柱と数えている現状をみると、5000は明らかに少ないと思う。私の直感だが、その数倍はまだまだ残されたままではないかと考えている。(つづく)

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