昨日の東京新聞に、ノーベル平和賞を受賞したケニアのマータイ環境副大臣の表敬訪問を首相官邸で受け、「もったいない」論で意気投合したとある。
マータイ氏が「もったいない」という日本語に感銘を受けたことに触れると、首相は「もともとは食糧不足の時代に、親が子供に『作った人の身になって大事に食べなさい』との意味」と説明した。
確かに、「もったいない」という言葉の意味が、現在では電気をつけっぱなしにすると電気代がもったいないというように、本来の意味にない「損をするから」もったいないというような意味合いではなく、「作った人の身になって」というようにそこに感謝の意味合いがあることを示唆していることはいい。ただ、この「もったいない」という言葉はさらに深い意味があるのである。
広辞苑
①神仏・貴人などに対して不都合である。不行届きである。
②過分のことで畏れ多い。かたじけない。ありがたい。
③そのものの値打ちが生かされず無駄になるのが惜しい。
現在の難儀は、この①②の意味のある「もったいない」を死語にしたところ、そして③のところでもその価値をお金や数字にのみおいてしまったところにも生じている。
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