昭和史を語り継ぐ理由 2

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 保坂氏の友人はさらに、「ヒトは確かに進化し繁栄した動物として、幾多の世代にわたる学習をつみあげて文明をつくりあげてきた。ところが個々人は誕生から老化までの一生で、自身にインプットされた体験や知恵は死とともに消滅してしまい、ヒトそのものはいつの時代にあっても誕生はゼロなのだという。文明は進歩してもヒトの知恵には進歩がない」と指摘し、保坂氏も日々、イラクからの報道に接して、ヒトは「もっとも残酷な猛獣」だと述べている。

 これには本当に感心した。なぜこうも人類は愚かなことを続けてるのだろうとずっと疑問に思っていた。なるほど文明や社会がいくら進歩してもヒト自体がゼロならばさもありなんである。
 
 保坂氏は、「昭和史の史実やその背景を追っていていつも思うことは、昭和の幾つかの戦争は〈もっとも残酷な猛獣〉の典型的なケースではないかと指摘する。「どうして日本軍はこれほどの残虐な行為を働いたのかというおぞましい出来事に出会う」という。私もここのところが一番疑問に思うところだが、この問題はまたの機会として、保坂氏はそうとして理性的なルールの確立が責務という。(つづく)

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このページは、つっさんが2005年3月21日 21:06に書いたブログ記事です。

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