東京学生寮2月月例祭・食事会 1

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 去る7日は、東京学生寮月例祭を滞りなく仕えさせていただいた。教話は概要以下の通り。

 現在日本は、戦争もなく内戦もなく、物はあふれている。イギリスの調査では、日本人の「幸福度」は178国中なんと90位。先が見えない閉塞感から、将来に不安を感じでいる。その中で皆さん自身がどうあればよいか。 

 先師高橋一郎先生は、脳腫瘍の病気で三度の手術をして闘病、今の私と同じ年の51歳に亡くなられた。先生は、生きるとはどういうことか? ほんとうの幸せ・幸福とは? ほんとうの喜びとは何か? を問い続けられ、それは、「本然のいのちが承服する」生き方と示された。

 この「本然のいのちが承服する」とはどういうことか、どうすればよいかについて二つの方法について私なりに考えているところをお話しする。まず一つは、生きていることを実感していく。「全身解放」して身体で感じていくこと。人生の中で一番嬉しかったこと、楽しかったこと、恥ずかしかったこと、びっくりしたこと、驚いたこと、逆に辛かったこと 悲しかったこと、くやしかったことなどを振り返ってみて、その時の心持ちを大事にする。

(ここで私自身のびっくりしたこと、恥ずかしかったこと、驚いたことを聞いてもらう)

 「全身開放」とは、元曹洞宗管長の板橋興宗師が仰っている。「良寛さんが五合庵で暮らしているときに、子どもたちが遊びに来て『良寛さーん』と呼んだ。すると良寛さんは『はーい』と答える。その答えが面白いので、子どもたちはまた『良寛さーん』と呼ぶ。良寛さんは『はーい』と答える。何度呼ばれても良寛さんは同じように返事をしたそう」。

 私も寮監(りょうかん)だが、私ならあまり何度も呼ばれると「うるさいな、あっちいって遊んでおれ」となる。
 
 板橋師は、「(普通の人間は)、つい頭の中で『これから部屋の整理をしなければならない』などと違うことを考えるからだ。ところが良寛さんは余計なことを考えていない。このように頭の中でいろいろ考えて解釈するのではなく、与えられた刺激に素直に反応するのが『全身開放だ』」と。

 この「全身開放」のあり方に「本然のいのちが承服する」生き方につながる一つのヒントがあると思う。(つづく)

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このページは、つっさんが2010年2月10日 18:52に書いたブログ記事です。

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