しかし、そうは言ってもやはり「もし攻めて来られたらどうするのだ、自衛という大義ある正しい戦争もある」という意見の方も多い。
ただ、私たちはなぜ、軍隊を持つのだろうか? それは軍隊が私たちを守ってくれるからであると答える。「当たり前だろ」と。しかし、本当に軍隊は私たちを守ってくれるであろうか。
20世紀に戦争で亡くなった人は2億人いるとも言われている。実はその大半は敵国の軍隊に殺されたのではなくて、自分の国の軍隊に殺されたとの統計があるのだ。スターリン時代のソ連や内戦等々。
まさか日本はと思われるかもしれないが、沖縄では日本の陸軍に殺された住民もいる。軍事力では国民を守れないことは歴史が証明している。強力な軍隊を持てば持つほど危ないのだ。かつての日本軍しかり、現在のアメリカ軍しかり。
上の写真はアメリカ軍艦からのミサイル発射と進撃中の装甲車。アメリカのメディアでは日本もそうだったが、このように攻める映像ばかりで被害の実態はほとんど報道されない。ハイテクの進歩でますます相手の姿は見えなくなっている。
イラク戦争時、人間の盾に参加した相沢恭平さんが、空爆後のイラクの実際のビデオを見せてくれた。
この写真は、車が炎上している写真。この車の中にカメラが進む。するといきなり「げーっ」という声が響いた。死体が悪臭を放ってその臭いに絶えきれなかったそうだ。カメラを撮っている相澤さんが嘔吐し、吐いてる声まであった。
「戦争映画に、もし臭いをつけたら誰も見ない」と仰っていた。
日本人は、空襲の恐ろしさ、原爆のむごたらしさを知っている。知っている者が世界の知らない者と同じ行動をとっていいのか。戦争の悲惨さ平和の尊さを知っている者として、正しいメッセージを世界へ向けて発していく責任があると思う。(つづく)
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