今日ある本を探していると、前から探していた「那智勝浦町津波防災マップ」なるものが偶然見つかった。このマップの制作年が記してないので、いつのものかわからないが、恐らく10年ほど前だと思う。
阪神大震災を経験してのことだと思うが、私もその頃何回もこの地図を見て、教会のところは一応大丈夫だと安心していた。最短の海からは500メートルは離れており、まさかここまではこないだろうと。
マップの説明には、「この地図は昭和19年12月7日に発生した東南海地震による津波の実績とその数値のシミュレーションを参考に作成した浸水予測及び避難場所の位置図です。当時、マグニチュード7.9の地震が熊野灘沖で発生し、その後8~10分で津波が来襲しました。当時はまだ堤防が整備されておらず、わずかにあった堤防も地震で破壊されたため、黄色で示した範囲まで浸水しました」とある。
東南海地震の時には、この地図によると教会は完全に浸水している。しかし、このマップには、赤色で「予測浸水地域」が示されており、「防波堤も含めた現在の地形に対して、東南海大地震と同程度の津波が発生したときの浸水域を数値計算した結果」とある。
この赤色の部分には、勝浦教会は入っていない。しかし、今回の地震でこれで安心とはいかなくなった。以前から当ブログで何度も指摘してきたように、このマップでいう防波堤は、二重に整備された堤防のことだと思う。
小さい頃から、「二重堤防」とよく呼称をしていた。これがあるから安心だと恐らく教えられたきたのだろう、自分のところは安心だとずっと思っていた。しかし、いつの頃からかこの「二重堤防」の間に、町立の体育・文化センターが建ったり、民家も建つようになった。これは明らかに東南海地震の教訓を忘れたのではないかと。
それでなくても何もない貧乏な地域に、20メートル級の津波がきても大丈夫防波堤はできないだろう。出来ることに越したことはないが、それよりも、少なくとも地震が来て最短で8分は時間があるから、日頃から自治体、町会が一体となって日頃からよく訓練をしておくべきだと思う。
今、私が見ている防災マップの見直しをしているかどうかはわからないが、ネットの写真地図を見ながら、「教会はこんなに海に近かったのか」とため息をついている。
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