中国高速鉄道の事故は、驚くべき展開を見せた。事故対応のあまりのひどさにますます中国蔑視の発言をさらに聞くようになった。確かに車両を埋めたり、女の子が取り残されていたり、二日もしないうちに運転を再開したり、あまりにもお粗末はお粗末であり、恐ろしい対応ではある。
しかし、私たち日本人も中国を笑ったり、そう偉そうに言えたものかどうか。そう、福島の原発事故のことである。パニックを恐れたとはいえ、メルトダウン公表は二か月も過ぎてからだ。政府や東京電力は、どこまで本当のことを言っているかわからない。そして安全性が確認されないままに、玄海原発は再稼働に向けた安全宣言が出された。
中国での事故はあまりに見えすぎて、政府当局が非難されるのは当然ではあるが、日本の政府や東電の対応も本質的には中国のあり方と変わらないのではないか。欧米人から見れば、中国も日本も結局同じアジア人で信用できないと、どの程度かはわからないが蔑視の目で見ているそうである。
もう一つ例えばいま、北朝鮮という国をおかしな国、愚かな国と見ているが、戦前の日本も世界からはおかしな国、愚かな国と見られていたのだ。何も北朝鮮や中国、欧米諸国を肯定したり、弁護しているのではない。人のことを言っている前に自分自身のことを省みなければならないことは、今も昔も、国も個人も一緒であると世界中の国や人々に言いたいのだ。
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