関東教区「教師教区集会」

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 関東教区「教師教区集会」は、このたび新発足した「神人あいよかけよの生活運動」をテーマにしたもので、 ご本部から担当の布教一部長岡成敏正先生が講師として来られた。いつもなら結構厳しい先生方も、このたびの講話はよかったと仰っていた。

 講題は「神人あいよかけよの生活運動」について-全体的、統合的にとらえれば-であり、本教運動の歩みは、本教立教の意義の確認と押さえ、このたびの運動に関わる「神が助かる」ことの教義的意味と具体的な事例を紹介しつつ、岡成先生自身の信心がほとばしるお話であった。

 岡成先生と私は、金光学園及び金光教学院も同期で同級生。先生は教学研究所に進み、教義的にもまた信仰的にも熱く、その両面を兼ね備えているので評判がよかったのだと思う。「神が助かる」教義的ご内容を安政6年の立教神伝、明治6年のご神伝、明治15年のお知らせに求め、「おかげを知らない氏子(人間)」に「おかげの世界を知らしめる」ことがこの運動の目的と述べた。

 班別懇談も結構盛り上がったようである。さて、懇親会の時であったが、昨日も触れたがY先生が当ブログを読んでいると仰って下さり、信心の価値観と世俗の価値観について少しお話しさせて頂いた。それは、講師が紹介して下さった以下の内容からである。

 それは、武市さんという方が、九州日田教会の堀尾保治先生にお取次を願った内容で、2009(平成21)年に金光教本部教庁から出された『取次を生きる』に収録されている話である。強引に要約すると、

 「九州日田市の武市さんという方が飼っていた馬が病気になった。馬の仲介人が今売れば当時のお金で90円で買うと。しかし、治れば250円以上の価値がある。死んだら一文にもならない。そこで武市さんは、日田教会の堀尾保治先生にお取次を願う。色々とやりとりがあり、先生はこれまで働いてきた8年分の駄賃は800円にもなる。馬が働いて病気になったのだから800円くらいは養育費に充て方がよいと取り次がれます。結果、馬は全快した」とのお話である。

 このお話のポイントは損得勘定の世俗の経済的価値を優先するか、信心の価値を頂くかである。もちろん、このお話は信心の価値からおかげを頂かれた話である。これはこれでよい。

 しかし、Y先生は「例えば会社を経営していて、50人の社員のために5人をリストラしなければならない時にどう応えるか。恐らくは5人の方の立ち行きも祈らせて頂きましょうとなるが、世俗の価値で動かなければならない信徒は、教会に参ったときは信仰の価値、会社へ行けば世俗の価値と器用にはできない」と言う。

 残念ながら、懇親会はそこで時間切れとなってしまい、話は終わってしまったが、確かに私もそう思った。経済の論理と信仰の論理の親和性がある場合はいいが、ない場合も当然ある。その時にどう対応するか。もちろん、具体的な個々の事情を鑑みてのその場その場でおかげを蒙るしかなく、一つの馬の事例を持って普遍化するのは少し無理がある。

 そしてもう一つ思うのは、5人をどうしても切らざるを得ない時のその心の持ちようである。かつて平和集会で「ネセサリーコスト」という言葉を紹介したことがある。これは、イラクに攻め込んだ米軍の現地司令官に、マスコミ記者が「誤爆等で一般のイラク国民に少なからず犠牲が出ているのをどう思うか?」と問いかけた質問にその司令官が「ネセサリーコスト」と答えた時の言葉である。何と「必要経費」ということである。

 人の命が「必要経費」とされてしまう。戦前の日本の軍人の命は、「鴻毛より軽い」と鳥の毛よりも軽いとされた時代もある。つまりは多数のための少数の犠牲は当然視されてしまうのだ。そこには憐憫の情などない。

 私はこの論理にはどうしても組みすることはできない。やはり、5人の方を切るとしてもそれは最大限に尊重されるべきであり、もし本教信奉者の経営者なら、断腸の思い、身を切る思いでの決断となると思う。そこにはお礼、お詫び、お願いが必ずあると思う。 

 Y先生が仰りたかった話の筋とは違ってしまったかもしれないが、また、今度ゆっくりお話したい。とりあえず、関東教区教師集会の雰囲気のご報告まで。

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このページは、つっさんが2012年6月16日 14:11に書いたブログ記事です。

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