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「戦時標語」に唖然

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 戦時中の国策標語を集めた『黙って働き 笑って納税』という本が出版された。風刺のきいた面白いタイトルだなぁと思ったら、何と1937(昭和12)年に実際にあった税務署の標語だそうだ。びっくりである。

「欲しがりません 勝つまでは(大政翼賛会、1942〈昭和17〉年)」はよく聞いたことがあるが、以下の標語は本当かと目を疑ってしまった。

「嬉しいな僕の貯金が弾になる(大日本婦人会1943〈昭和18〉年)」

「酒呑みは 瑞穂の国の 寄生虫(日本国民禁酒同盟1941〈昭和16〉年)」

「産んで殖やして育てて皇楯(中央標語研究所1942〈昭和17〉年)」

「アメリカ人をぶち殺せ!(主婦之友1943(昭和18)年)」

 こういう世の中だけはごめんだ。

平和主義から非戦主義へ

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 すべての戦争は平和と正義を掲げて始まっている。太平洋戦争開戦の詔勅にも「世界ノ平和ニ寄與」し、「東亞永遠ノ平和ヲ確立シ以テ帝國ノ光榮ヲ保全セムコトヲ期ス」として始まっている。平和主義では戦争を止められないがゆえに絶対非戦主義をずっと唱えてきた。平和主義では真の平和はできないのだ。

 最近「積極的平和主義」なる言葉をよく聞く。安倍総理が好んで使っているようだ。おそらく『新・戦争論―積極的平和主義への提言』という本あたりから出てきていると思われるが、読んでないので本当のところはわからない。

 積極的平和主義とはよく言ったものだと思うが、これも平和を掲げて軍事力を前面に出す考えだろう。世界の平和学では、ノルウェーの政治学者ヨハン・ガルトゥングが、平和=戦争のない状態と捉える「消極的平和」に加えて、貧困、抑圧、差別などの構造的暴力がない「積極的平和」を提起した概念が通説だろう。

 平和はただ戦争がない状態だけではなく、貧困や抑圧、差別がない世界を積極的平和とした。似ても似つかぬ全く次元の違った考え方であろう。皆様はどう思われるか。私は「積極的平和主義」は結局は過去の教訓を踏まえず、軍事力に頼るしかない世界が永遠と続いてしまう考え方だと思う。これでは真に戦争はなくならない。

 何度も紹介してきたが、戦争プロパガンダ10の法則というのがある。太平洋戦争もイラク戦争もあらゆる戦争がぴったりあてはまるのでは。よくよくかみしめたい。
(1)「われわれは戦争をしたくはない」
(2)「しかし敵側が一方的に戦争を望んだ」
(3)「敵の指導者は悪魔のような人間だ」
(4)「われわれは領土や覇権のためではなく、偉大な使命のために戦う」
(5)「われわれも誤って犠牲を出すことがある。だが敵はわざと残虐行為におよんでいる」
(6)「敵は卑劣な兵器や戦略を用いている」
(7)「われわれの受けた被害は小さく、敵に与えた被害は甚大」
(8)「芸術家や知識人も正義の戦いを支持している」
(9)「われわれの大義は神聖なものである」
(10)「この正義に疑問を投げかける者は裏切り者である」

寮9月月例祭・食事会・東北ドリームキャンプ報告

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 昨日、東京学生寮集会室において9月の月例祭が小柴宣和運営委員ご祭主のもとに仕えられ、続いて東京センター青年教師教話研修として芝教会在籍教師の石井さくら先生から概要次のような教話があった。

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 「2011年の東京平和集会、東日本大震災復興祈願集会に参加し、それまで人ごとと思っていた被災地のボランティアに参加した。東京学生寮が毎年花壇の整備ボランティアをしている『五右衛門が原仮設住宅』のあるおばあさんの被災体験を、ただ聴かせて頂いただけで大変喜んでもらった。そこから何度か参加しているうちに思わされた。被災された東北の方は、たまたまこの地であっただけで東京だったかもしれない。今自分があるこの命は、ない命を頂いて生かされて生きている命ではないか。そうであればこの命には使命があり、それは人のお役に立つことである。そして縁あって金光教学院に入学、教師を志望した。OLをしていた頃は自分のためにだけ生きており、ある意味人生のゴールが見えたと考えていたが生まれ変わった。教祖様は『人を助けて神にならせてもらうがよい』と教えてくだされている。そして『人は金光大神のことを生神と言うが、金光大神も、あなた方と同じ生身の人間』と仰り、さらに参拝者に向かって『このお広前に参っている人々がみな、神の子である。生神とは、ここに神が生まれるということ』と仰った。これを受け、ここから人のお役に立つために、神様にどう使って頂けるか楽しみに御用を進めて参りたい」。

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 引き続いての食事会は、中国からの留学生2名と日本人学生1名により、手作りのワンタンスープ、手羽元のコーラ煮、頭皮とキュウリのサラダ、ピータン豆腐、ニラの卵焼き、イカとピーマンの炒め物、麻婆豆腐と盛りだくさん。特にワンタンスープと豆皮とキュウリのサラダは絶品であった。

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 続いて、7月26日~28日奥州市衣川ふるさと自然塾において開催された東北ドリームキャンプの報告会をデジブックCDを見ながら開き、寮から参加した上村君、秋山君と板東氏、石井さくら先生から「大雨の中でも元気で明るい被災地の子供達の笑顔に感動した」、「是非続けてほしい」等の感想が述べられた。

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 さらに恒例の寮生の誕生日月のお祝いがあり、13日生まれの1年生岩﨑結ちゃんをお祝いした。また何と何と9月11日、25年目を迎える結婚記念日を迎える私たちも銀婚式のお祝いをして頂いた。全く予想してなかったので思わず涙が出そうになり、妻はすでに泣いていた。皆様、ありがとうございました。

シリア情勢に思う。

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 化学兵器は絶対に使用してはならない。しかし、愚かにも使用され1429人が死亡した。痛ましい限りである。アメリカは制裁のための武力行使を宣言している。しかし、一番の同盟国イギリスが同調しないなど、軍事攻撃が制裁にならないどころか、ますます混迷の度を増すと誰もが知っている。

 武力を抑止するには、今のところ武力行使しかないようにみえる。ところがそれが通用しないのもまだ事実である。シリア内戦は複雑きわまりない。軍事力だでは解決はないのだから、世界はもっと真剣に根本的な解決方法を模索すべきだ。

そもそも武力衝突をやめさせようとしていながら、武器を輸出して金儲けをしているようなことでは、武力抑止などできるわけがない。特に日本はアメリカにただ同調するだけではなく、調停や対話、武装解除や軍縮等々の非軍事分野でもっと活躍できなものか。そのために外務省の職員を倍にしてもいいのではないか。
 
 武力なき武力抑止は、なかなか簡単にはいかないのも事実だが、互いに信頼関係ができれば絶対に無理なことではないと思う。「臭いにおいは元から絶たなければ」と消臭スプレーをかけただけでは解決できない。においの元を絶たなければ。