またまた痛ましい事故が起きた。東京センターからすぐ近く、東京ドーム遊園地を毎日見ながら通る。いつもは「キャー」というけたたましい声が聞こえるが、さすがに今日は静かであった。ジェットコースター系の恐い乗り物が大嫌いな私は、「よく命をかけてまで遊べるな」と冗談を言っていた。
しかし、冗談にならない事故が数年に1回は起きているのである。すでに女房や地元の所沢の友人も覚えていないが、そう昔ではない10数年前にも西武遊園地でも人の落下事故が起きて死者が出た。
その落ちたところがコンクリート壁に囲まれたプロパンガスの大きなボンベが置いてあるところであった。木々が比較的多いひっそりとした場所で、私は夏の暑いときにその木陰で涼んでいたことがある。このニュースがテレビで流れたときに、「あの場所だ」と思わず叫んだことがあるので、よく覚えている。
その事故の原因も確か安全装置の不備であったと思う。今回の事故はその教訓も忘れたあまりにもずさんな運行で起きた。事故が予見される乗り物でアルバイト員だけに任せていること。そもそも安全バーが不完全の場合は、発進できないようにすべきではないか。
安全より利益、効率重視、人の命より組織やお金が優先される考え方は、戦前からずっと同じではないか。この国の人間は「教訓」という言葉を知らないのだろうか。暗澹たる気持ちになる。
今日の『朝日新聞』23面に衣笠祥雄の〈鉄人の目〉「ドラ1選手よ、重圧に負けるな」との記事が載っている。今年の大学入試センター試験は50万人以上が受験。プロ野球の世界はというと、昨年、高校野球部に登録された3年生は5万2千人。その中からプロ入りしたのは、わずか25人。大学生が23人、社会人が20人だそうである。
めちゃくちゃ狭き門だ。ところがプロ入りするために通らなければならないドラフトの制度の中で、過去10年間のドラフト1位指名者で、チームの顔として活躍しているのは、巨人なら阿部、内海、坂本。広島は前田、大竹、永川、ヤクルトは石川、川島、由規、阪神が安藤、島谷、横浜、村田、内川、中日は何と吉見くらいだそう。
パリーグは、日本ハム、ダルビッシュ、糸井、ソフトバンクは和田、馬原、西武は涌井、岸、ロッテは大峰、唐川、オリックスは、金子、T-岡田、楽天は田中、永井。この10年間で150人以上のドラフト1位選手中で活躍できたのは全12球団で数える程度。
こう言われてみると、プロ野球の世界はとんでもない厳しい世界である。衣笠氏は、だからこそ「ドラフト1位ともなれば、名誉や期待が重圧となり、自分を見失う原因にもなりうる」と指摘し、その「重圧に負けるな」と激励する。
息子の野球部の先輩、ソフトバンク一位指名の福田秀平選手、昨年後半はずっと一軍ベンチに入り、代走、守備と活躍した。ここからレギュラーへの壁がまた高いがぜひともがんばってもらいたい。
またしても自爆テロが発生した。いかなる理由があろうとも、不特定多数を狙う行為は絶対に許されるものではない。このテロをいかに防ぐか。爆弾テロ事件が起きるたびに政府当局は、対テロ対策のためにセキュリティを強化、押さえ込みにかかるが防ぎ切れない。
アメリカの言語学者で、ベトナム戦争以降平和について世界に発信し続けているノーム・チョムスキーは、世界からテロを大幅に減らすことは、対テロ戦争に「参加しない」ことと述べている。構えたり、力で押さえ込もうとしても絶対に防げないと。
この発言の直後、チョムスキーの言った通り、世界最強のテロ対策セキュリティをしいていると言われたロンドンでも大規模な自爆テロが発生した。その後も紛争を抱える世界各地で報復の連鎖が続いている。
日本はまさに参加しないのが賢明であろう。そして巨大な力を持っている方が、何とか知恵を絞って共生の方向性に向かうよう提言ができる立場になれないか、期待しているところである。
「ピアニストになるために指を傷つけてはいけないので、休み時間は外に出さないで」、「うちの子がレギュラーに選ばれないのはおかしい」、この程度はまだまし。最近女房に聞いた話だが、学校の給食費の問題で、子供に「『いただきます』と言わなくていい」と言っている親がいるという。
最初私は、ちゃんとお金を払っているので「いただきますと言わなくてもいい」という理由かと思ったら、給食費も払ってないという。「え、じゃ何で?」と聞き返すと、「こちらから給食を頼んだわけでもないんだから、いただきますと言わなくていい」と。
「いただきます」の意味を取り違えているどころか、二重にも三重にも驚いた。こんな親御さんに育てられた子供たちが大きくなったら、一体どんな世の中になっているだろうか。想像するだけでも恐ろしくなる。
「モンスターペアレンツ」という言葉がある。学校の先生に理不尽な要求をする保護者という意味だそうだ。その対策に東京都の教育委員会のマニュアルは、電話の受け答えとか、玄関まで見送るとか、いろいろと対処法を示しているそうだが、そういう問題じゃないだろうと思う。
モンスターペアレンツという言葉にも問題がある。テレビドラマの「斉藤さん」 ではないが、言うべきことはちゃんと言わなければならない問題もあり、親の方もなかなか言いづらい雰囲気になってしまう恐れもある。
逆に埼玉県では、先生が児童の親を裁判に訴える事態となっているそうだが、一番まずいのは学校側と保護者が対立関係になることであろう。悩む先生が増え、休職者も急増しているらしい。先生にだけはなりたくないという子も増えてきた。
もう一度じっくりと教育のあり方を考えなければ。戦後教育を一方的に否定するのでなく、戦後の価値観である自由や平等、権利や差別といった言葉の根本的な意味合い、理念を問い直し、その上で倫理・道徳としてしっかりと教えていく必要がある。ここでも日本独特の左右の対立は、日本の不幸だと思う。
作家の堤清二さんのペンネームは、なぜか辻井で、「辻井 喬」と名乗っている。昨年暮れに明治大学での講演会があり、著書のサイン会があった。その時になぜ辻井か聞いておけばよかったと今頃になって思っている。
その辻井喬さんは、日本国憲法の平和理念を非常に大事にされ、あちこちで講演をなさっている。《尖閣》問題は、日本の立場を鮮明にし、話し合いで外交的に解決する必要があり、その基本は平和憲法にあるという。
ところが、「マスコミはマスヒステリー的キャンペーンを張り、民衆は社会的同調圧力の中で自ら視野狭窄に陥っている」と指摘する。その中で「政治の劣化も甚だしく、独立国としての誇りをもって国家の針路を指し示す構想力を持ち得ていない」という。
そして、「偽のナショナリズムとは逆の方向で、日本文化の《伝統》を見直し、自主独立の文化を創り磨いていこう」と訴えている。
仰るとおりだと思う。どうも日本では平和というと、「反国家主義的日本嫌い」、「革新」、「組合」、「左翼」等々のイメージを持たれるが、それこそ日本の不幸だと思う。独立国の誇りをもって、日本文化を培い、世界に貢献する日本人として、閉塞した社会をみんなでこじ開けてまいりたいと願っている。
寮から全国学生会協議委員会に参加していた二人が何とか無事に帰寮した。昨日会議終了後すぐに新幹線で帰ってきた雅江ちゃんは、午後7時からの月例祭に間に合う予定が夜の12時過ぎに帰ってきた。月例祭後の食事会になんと妻と娘が居残っており、雪でもう大変だったとこと。
さて心配は息子である。会議後他に所用があり夜行バスで帰ってきている。何も連絡がなかったので、岡山を出発はしたと思っていた。今日の朝6時頃電話が入り、「今京都でおろされ新幹線で帰る」とのこと。この前のバス故障で静岡駅から新幹線で帰ってきた私みたい。
新幹線も遅れが出ており、お昼の12時に国分寺駅に着き、車で迎えに行った。「目が覚めて着いたと思ったら、まだ京都だった」と。お疲れ様である。何はともあれ、二人とも無事帰らせていただき感謝。次期全国学生会会長にその雅江ちゃんが選出されたとのこと。学生会のますますの展開と活躍を願っている。
寒、寒、寒である。ある先生は親教会記念祭へ車での参拝、雪が心配だと言っていた。息子も昨日、今日とご本部学生会の会議に出席しており、今日の夜行バスで帰京予定だが、雪がどのくらい降るか。
だいぶ前の話になるが、ある寮生が夜行バスで帰省したとき、名神高速道路滋賀県辺りで雪で身動きがとれなくなり、丸二日バスの中に閉じ込められていたという話を聞いたことがある。
私もまだ独身でご本部御用の頃、和歌山の勝浦から当時は伊勢を回って栗東から名神高速で帰っていた時のこと。三重県南部までどか雪が降り、私はチェーンを持参していたが、雪になれない地方の人々は進むことも帰ることもできず、道路の真ん中に車を置き去りにした方もあった。
伊勢自動車道を何とか抜けるまでは行ったが、1号線に入ると先日の確か鳥取で起きた身動きがとれない大渋滞と同じようなことになった。その時は幸いにも全く動かないことはなかったが、それでも100メートル1時間くらいかかったところもあった。
何とか京都までたどり着いて、サウナで仮眠。その後金光まで帰ったことがある。全行程1日半もかかった。雪を甘く見るととんでもないことになる。皆事故なく、本当に気をつけてほしい。
今日は東京学生寮本年最初の月例祭・食事会。祭主は運営委員長代行の須賀院明徳先生。教話は私。交通機関に乱れなく、滞りなく仕えられるよう願っている。
調べ物があり、久し振りに東京学生寮創立百周年記念誌『笈を負う』を開いた。寮が今の小金井市に移転してきたのは1959(昭和34)年、立教100年の年だ。私がこの世に誕生した年でもある。
この時の小金井寮の落成式の出席者に、元宗務局長や文部省宗務課員、小金井市長代理、小金井警察署長、公団参事等の名がある。以前からそのことは知っていたが、その市長代理の祝辞を今頃になって読んだ。
「(前略)広く人類の救済を目途とし、努力する金光財団が、永久的の計画を持って、東京寮を建設し、確固たる礎石を、この地に定められたことは、小金井市をして、一層、清潔に、健康に、かつ精神的に、躍進させるものを信じて、喜ばしい限りである」と。
正直、驚いた。代理といえども市長が挨拶し、それも「永久的の計画を持って」と語る。 現金光財団の願いには「文化の向上と社会の発展に努め」とある。寮では、その一環として広く近隣大学の留学生を受け入れてきている。当寮の名も結構有名になってきているらしい。そこでさらに社会に貢献できるような動きができないか、願っているところである。