スマトラ沖地震津波で大きな被害を受けたインドネシア・アチェ州などで、孤児となった子供たちが「保護」の名目で連れ出され、行方不明になっている。その数は400人にも上り、「人身売買」の組織が関与しているという。何ともやりきれない。
取り残された子供たちの「親類」を名乗り、養子縁組を装う。インドネシア政府は被災者の孤児の養子縁組を禁止したほどだ。この地区は相次ぐ紛争や貧困で以前から人身売買が横行し、食料人箱分と交換もあったという。
さらに救いがたいのは、軍や警察関係者も関与していると指摘されており、政府関係者やNGOがもった国際会議では「犯罪の当事者が出席していいのか」という言葉も漏れたという。また、人身売買に取り組んでいたNGO活動家が暗殺されたという情報も流れ、NGOも身動きがとれないようだ。
災害、戦争、紛争でいつも多大な犠牲を被るのは子供たちだ。そこに大人たちの犯罪が追い打ちをかける。こうした犯罪にこそ即応できる国際監視組織が有効だ。それにはやはり国連しかない。犯罪防止や貧困解決にこそ、日本は積極的に協力していくべきである。
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