仮出所・保護観察に限界

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 愛知県安城市の幼児殺傷事件の犯人は、事件10日前から仮出所後、入所した更生保護施設から抜け出した男の犯行だった。この仮出所・保護観察という本人の更正意欲や善意を前提とした制度の限界を指摘する声があがっている。

 この制度は1949年に施行された犯罪者予防更正法によっているが、これは現代と違って格段に地縁、血縁が強かった時代の社会を前提に作られた法律であり、流動性の高い現代社会とはあわないという。

 実際に更生保護施設の職員の高齢化と担い手不足であり、保護観察の調査も電話確認程度。主にボランティアの保護司が担っているが、行方がしれなくなると調べようがない。私の父も、もう30年以上確か少年院や少年鑑別所を中心にした若者を担当している保護司をしているがその辺のところを詳しくは聞いたことがない。

 もし、言われるような再犯率の上昇や保護観察中の不明者などが増えているようであれば、この制度自体を見直さなければならないであろう。しかし、なにもかも法律の厳罰化や警察力に頼らざるを得ない社会はやはりふさわしい社会ではない。

 現代日本の政界、経済界、教育界などの反動的な動きはますます悪い世の中になってしまうのではないかと心配でたまらない。強者だけが謳歌し、弱者は排除されみえなくしてしまい、問題や難儀がそこにあるのにあたかも全くないような社会ができあがってしまうのではないか。恐ろしいことである。

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このページは、つっさんが2005年2月 9日 14:42に書いたブログ記事です。

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