小学教師刺殺事件

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 何ともまた痛ましく、悔しい殺人事件が起きた。人を信用しなさいと教える学校が、いまやキーワードは「安全対策」。対策とは人を疑ってかかっていることだ。そうならざるを得ないくらい現場では無力感が漂い、だからこその悩みも深いであろう。

 一頃戦後民主主義教育が悪かったと、倫理道徳の強化や厳罰化が叫ばれた。それは安全、安心のためにと。しかし、そのようなもので解決するならば、最初からこんなにも問題は多発しない。私は以前からもうすでに個人の資質や努力の問題を越えているのではないかと不安になっていた。

 現在社会は、個人の努力を越えて否応なく強者はますます強者に、弱者はますます弱者へと二極化している。それが単に経済格差だけの問題ではなく、希望も何も持てない精神の格差が広がっているとの指摘もある。
 
 格差は格差でも将来に希望のある苦労や苦難であれば、何とかそれを乗り越えようとする。しかし、将来に夢も希望もなければ人は落ち込み、苦難に耐えきれなくなる。犯罪や引きこもりの増加はまさにここから生まれている。

 要は、倫理道徳や厳罰化、単純な安全対策だけでは対応不能であるという認識がいる。もちろん安全対策への様々な知恵や取り組みは実施すべきである。それよりも何よりも、社会全体がすべての1人ひとりのことを真に考えた政治、福祉、教育を取り戻さなければならない。

 宗教を社会の片隅に追いやったことが影響していることも間違いない。今一度「自分を大切に」、「人を大切に」 そして「すべてを大切に」していく信仰心に基づいたあり方が求められる。

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このページは、つっさんが2005年2月15日 14:48に書いたブログ記事です。

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