熱田教会信徒会講演会 3

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 こうした寮生とどうかかわっていくか。私自身、子供の子育てや寮生たちとの関わりの中で、不登校や軽い引きこもり等々精神的な問題を抱える人たちと生活を共にし、一緒に悩み取り組むことで多くのことを学んだ。まずはこの問題に深く関わる前提となる2つの「子育ての大いなる誤解」についてとその問題の原因と対策について紹介したい。
 

 そのことが、子供や寮生たちと深く解り合えることになり、結果的に信心の継承につながると信じるからである。

子育てに対する2つの大きな誤解
①子育ては、お子さんが二十歳を過ぎて「思いやりのあるやさしい大人」に育ってほしいというのが本当。ところが、実際はそれこそ赤ちゃんの1、2歳の時からずっと思いやりのある子でいることが必要としている。つまり、赤ちゃんの時は、ぐずらない子や泣かない子。そして、その後は「よい子」という名の「聞き分けのよい子」、「手のかからない子」。結局親にとって都合のいい子を強要しているのではないか。

②喜怒哀楽や「悔しい」、「惨め」とかの感情は、自然に備わると思っているが、感情は自然に備わるものではなくて、育てなければならないもの。

の二つである。
 
 そう考えると思い当たるふしがある。現在大学4年生の長男と高校3年生の娘がいるが、小さい頃からよく「泣くな!」、「それぐらい辛抱しろ!」と高圧的に叱り飛ばしてきた。娘なんかは、よく外の駐車場に立たせていた覚えがある。これは「しつけ」というよりは、やはり親にとって都合のいい「聞き分けのよい子」を強要していたように思う。

 そうすることで子供たちは、「悲しい」、「寂しい」、「腹立たしい」、「悔しい」、「ひとりぼっちで不安な気持ち」とかマイナスの否定的な、ネガティブな感情を抑え込んでしまう。子どもにとってみれば、ネガティブな感情を持つと怒られるものだから持ったらダメだと封印してしまう。結果、逆の嬉しいとか楽しいというプラスの感情も育たなくなってしまうのだ。

 それから、朝から晩まで、「早く起きろ」に始まって「早く寝なさい」で終わるまで、その間、「早く顔を洗って」、「早く服着て」、「早くご飯食べて」、「早く学校へ」、「早く宿題やれ」、「早くお風呂に入りなさい」と毎日毎日「早く、早く」の連続。これでは何かを感じたり、思ったり、考えたりする余裕はない。
  
 また、子供が2歳頃だったと思うが、動物が一杯出ている図鑑を見せて、これは「猫ちゃん」、これは「クマさん」とか、「じゃあこれは何かな?」と質問し、子供が「ぞうさん」と答えると「正解」と喜び、案外覚えるのが早いので、ついついライオンやカンガルーまで教え込もうとした経験がある。

 ここに子育てのひとつの落とし穴があって、どうも小さい頃から知識を覚え込まそうとし、これは「ぞうさん、大きいね」とか、「カバさん水浴びて気持ちよさそうだね」という感情、情感を案外伝えていない。これは現在の知育偏重教育に小さい時からはまっているのかもしれない。(つづく)

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このページは、つっさんが2011年9月29日 18:13に書いたブログ記事です。

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