熱田教会信徒会講演会 6

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 次に、ではどうすればいいか。マスコミや物の本では、相変わらず「心を大切に」「人間性が大事」とか、「気持ちを大切に」、「ありのままの自分を受け入れる」とか「共感」が大事という。しかし、どれも抽象的で、具体的にどういうことかということは教えてない。

 例えば「命の大切さ」を伝えるときに、ただ「命を大切に」と言ってもダメ。本当に命が大切だという実感が大事。ここでも、その感情を言葉にしてみる必要がある。自分自身「生きててよかった」、「一緒にいてくれて嬉しい」という時を思い出し、そのことを具体的に伝える。「命を大切にしなくてはいけない」というルールをお題目のように唱えても伝わらない 

 「男はつらいよ」という映画がある。このシリーズが終わってから私はこの映画にはまった。その39作目『寅次郎物語』に高校生になった甥っ子の満男君との会話にいつもぐっとくる。
満男 「人間てさ」
寅  「人間がどうした?」
満男 「人間は何のために生きてんのかな」
寅  「難しいことを聞くな、お前は。・・・何というかな、あー生まれてきてよかったそうことが何べんかあるだろう。そのために生きてんじゃねえか」

 そこで皆さんも以下の点について一つ思い出して見てほしい。その気持ちを大切にして、そのことを素直に話せば自分の子供はもちろん人はしっかりと聞いてくれるものである。

○最近「きれい」と思ったこと?

○楽しいと感じた時

○一番嬉しかったこと

○悲しかったこと、辛かった出来事をどう乗り越えてきたか
 忘れてしまいたいことまで思い出すのはそれこそ辛いことであり無理に思い出すことはない。ただ、難儀をどう乗り越えてきたかという自身の経験は必ず相手のためにもなると思う。

  こうして、自身の人生を振り返って、自分の気持ちや感情を時々思い出していると、不思議と今あるこの瞬間瞬間の時間がいとおしく、子育てにも余裕ができ、子供にあれやこれや言わなくても子供は自分でしっかりするものである。また、自分自身に新たなトラブルや難儀が降りかかった時、自分の気持ちに注目してみると結構解決が早い。

 うちの娘がある問題から立ち直った時、あれだけ毎日、毎日「早く、早く」と言っていたのが、そして外にまで立たせて叱っていたものが、全く言わなくても子供はちゃんとするのである。おかげで、中学、高校と私はほとんど怒ったことがない。今振り返っても信じられないほどのおかげを頂いた。

 ちなみに私が一番嬉しかった時は、娘が立ち直った時、娘が「お父さん、お父さん」と携帯画面を見せながら、「お父さん、こんなの好きでしょう」と見せてくれた画面にあったのが「辛」+「一」=「幸」という漢字の数式。この「一」のこと、学校の先生や娘の友人、寮生たちと多くの人に「一」を頂き、支えてもらった様々なことを瞬間的に思い出し、うれし涙が止まらなかった。

 どうすればいいかを一言で言えば、自分が子どもや相手の立場に立って「実感」レベルで想像し、その感情を言葉化してみるとこにつきると思う。(つづく)

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このページは、つっさんが2011年10月 3日 17:31に書いたブログ記事です。

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