第30回金光教東京平和集会を開催

| コメント(0)

 7月15日日曜日、秋葉原の金光教館イーストホール(東京教会内)において、200名の参加を得て、第30回の金光教平和集会が開かれた。 

 まず、「祈りのつどい」が開かれ、人間の平和ならざる行いによって命を失ったすべての御霊の立ち行きを願うとともに、二度と同じ過ちを繰り返さないことを誓い、ここからの「世界の平和と人類の助かり」を祈った。

 その中での「平和への誓い」では、関東教区青年教師会会長・和泉晃三氏が「世界が平和になるために多くのことについて学び、歴史の事実から目を背けず、尊い行いと、愚かな行いを知り、人間が人間らしく生きられない過ちを絶対に繰り返さないことが私たちに課せられた重大な責務であることを心に刻み、一人でも多くの人たちと平和について語り合い、平和ならざる『闇』から目をそむけることなく、どこまでも真の平和を求めていくことを誓います」と述べた。
 
 続いて、「平和(戦争)への分岐点。歴史を学ぶ」と題して、昭和史に造詣の深い保阪正康氏(ノンフィクション作家)から記念講話があった。

 保阪氏は、平和や戦争への分岐点を歴史に学ぶにあたり、まず「戦争」を、「1 戦争は政治が失敗したときの最後の手段である」、「2 本来国家は国民の生命と財産を守るものだが、戦争は逆に国民の生命と財産を犠牲にするもの」、「3 戦争は殺し殺されるもの、つまり殺傷であり、その傷は何代も続く」という3つの概念に定義づけた。そこから「戦争を選択しない方がよいという当たり前の教訓が導き出せる」と指摘された。

 また、「戦争の原因について知るには、平和とは何かが問われてくる」と述べ、「戦闘争状態がないから平和ではない。第一次世界大戦と第二次世界大戦の間は戦争はなかったが、復讐の戦争準備期間としての戦間期であった。日本は敗戦以降今日までは、日本国憲法で戦争を放棄しており、少なくとも復讐のために戦争を準備することは否定しており、戦間期を持っていない。その意味で日本は世界的なモデルになると思う」と語った。

 さらに、「ナショナリズム」には、愛国主義、国家主義、民族主義と呼ばれる「上部構造」と地域社会や共同体に伝わる生活規範やモラル、伝統、文化といった「下部構造」があり、上部構造が本来健全な下部構造を押さえつけてきたのが昭和の歴史であり、「下部構造」としてあるナショナリズムを大切にしなければならないと述べられた。

 また、保阪氏はこれまで数え切れないほどの方々をインタビューしてきたが、「戦争体験談を聞くことについて一定のルールがある」と指摘された。それは「1対1対8」という法則であり、「本当の話をする人が1割、嘘を言う人が1割、後の8割はある程度本当のことを言うが記憶を美化しがちである」という法則である。

 「これはある意味やむをえないことであり、だからこそ真実を見抜く目、知恵をつけ、真実を見極め、私たちが一人ひとりが主体的に教訓を語り継ぐところに本当の平和がある」と最後に語られた。 

 続いて、東京平和集会30年の歩みについて、不肖私がスライドで報告した。

 その後、歴代東京センター所長によるパネルディスカッションが行われ、初代川上所長は、「東京平和集会は、教団の戦争協力という罪を教団として償うために教務が主体的に取り組んだ集会」であると押さえられた。

 次に歴代所長から、それぞれの時代に取り組まれた願いを述べられ、二度と武器を持たないために、また参加者一人ひとりの心に平和の砦を築くために教義的、実践的に取り組み、一定の成果をあげてきたことを確認した。

 これからの課題としては、平和の問題は対立する政治課題も深く関わることから、平和を目指す根本姿勢とある程度の具体的可能性を示す必要はあるが、対立する意見を抹殺して一色に染めるようなあり方でなく、様々な意見が出し合える場を常に確保していく必要があることを確認した。

 同時に開催された「子どものひろば」は、戦争を知らない子どもたちが、戦中、戦後の生活の一端に触れることで、少しでも当時の人々の姿に思いを馳せることができるようにとの願いから、九段下にある「昭和館」に出向いて学習した。 
 
 

コメントする

2012年8月

      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31  

このブログ記事について

このページは、つっさんが2012年8月 3日 11:35に書いたブログ記事です。

ひとつ前のブログ記事は「先ほど無事帰寮」です。

次のブログ記事は「勝浦教会へ 当ブログしばらくお休みです。」です。

最近のコンテンツはインデックスページで見られます。過去に書かれたものはアーカイブのページで見られます。

カウンター

累計:
本日:
昨日: