アルジェリアの人質事件に思う
16日に起きたアルジェリア南東部での人質事件から4日経た現在も、事件の全容どころか邦人に犠牲者が出たのかどうかもわかっていない。人質に取られている邦人の家族や関係者の方々はいても立ったもいられないであろう。何とか全員無事であることを祈るばかりである。
卒寮生で石油プラントの技術者として、中東に出張を繰り返している子がいる。確かオーマンだったかイエメンの日本人誘拐事件の時だったか、そこから数十キロ離れたサウジアラビアにいたと聞いたことがある。湾岸戦争やイラク戦争の時も影響があったそうで、まさにいのちがけでの仕事である。
このたびの事件も様々な要素が絡み合っているようで、ただ、アルジェリア政府はあの米国をして「憂慮する」と言わしめたほどの速攻強攻策に出た。人命尊重を第一とする私たち日本人からすれば、理解できない対応だ。他の国々も一応は人命尊重の対応といってるが、日本とはかなり温度差がある。
こうした人質事件、テロリストと交渉し甘い顔を見せれば第2、第3の事件が起きる可能性が高くなり、突入を強行すれば犠牲者が出る。どう対応すればいいか、いつも同じ議論が繰り返される。そして相も変わらず、テロとの戦いを強調し、テロには屈しないとの大合唱だ。
もちろんこの問題は、テロの温床となる貧困や経済の問題だけではない歴史的、民族的、宗教的な問題も複雑に絡み合っているだろう。だからこそ、軍事力で押さえ込むだけではテロを撲滅できないこともまた歴史が証明している。
日本でもこうした事件が起きるたびに同じような議論が繰り返される。問題は人命尊重といいながら邦人救出などの体制ができてないところにある。つまりは自衛隊の問題である。かつてはPKOに始まり、近くはイラク戦争への自衛隊海外派遣問題である。
さっきフジテレビの番組にコメンテーターとして来ていた元官僚の経済評論家は、「普通の軍隊にすればいい」と発言していた。いよいよ憲法第9条の問題である。こうした事件が起きると、自衛隊を軍隊にした方がいいと勢いづく。しかし、少し乱暴ではないか。要は人命尊重のための邦人救出の問題である。自衛隊を軍隊にするというのは時代の逆行で、また、軍隊にすれば全て解決するという問題でもない。
向かう方向性は戦争やテロなき平和であり、武力によらない平和である。だからこそ人命尊重第1のあり方である。憲法9条は変えなくてもいい。いや、だからこそ9条が必要だと思う。大戦後この方ずっと戦争や紛争をしている普通の国にわざわざならなくてもいい。希有なる平和国家を誇るべきであると思う。
武力なき世界平和の方向性を見据えつつ、現代の問題に対応すべき体制、組織を構築し、即応できるようにすればいいと思う。何が何でも自衛隊の海外派遣はダメとは言わない。邦人救出は自衛の問題であるから自衛隊の中にその専門部隊を作っていいと思う。
さらには、警察、消防、海上保安庁、自衛隊等々を現在の問題に併せて総合的に改変し、人を殺す組織ではなく、人を助けるサンダーバード的部隊にしていけばいいと思う。
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