第30回 沖縄遺骨収集奉仕参加 4 2003年2月
別班に行っていた方が何人か帰り、「そろそろどんどんあげなくては」と言って壕の穴から下に向けて声をかけた。下からは何の反応もなく、1人が壕の中に入って行った。
それから私にとっては長い時間が過ぎた。もしかしてガスでやられ、入っていった人が全員倒れてしまうのではと内心おろおろしていたのは私1人だった。やがて下からあげるぞとの声がかかり、ナップサック大の布袋に砂や石ころ満載になって上がってきた。
壕の中でご遺骨とはっきりとわかるのはビニール袋に入って分けられている。私が初めて見たご遺骨だ。ほとんどかけらになってしまっているが、中には顎の骨がしっかりと残っている。歯も茶けてしまってはいるが、数本がきれいに残っている。それらは白い白布の上に集められた。それから砂や石ころの中にもご遺骨が混ざっているとのこと。そのまま捨てるのはご無礼になるので白布の上にざっとおろしてその中からご遺骨を選別する。私はほとんどわからずいちいち他の方に聞いて確認した。
そのうちに軍刀、手榴弾、鏡、石鹸箱、赤十字の鞄のちぎれた一部、手帳などがどんどん上がってくる。私はあの映画の「ひめゆりの塔」で見たままそのままが現実の目の前に現れ、これは映画でなく現実のことなんだと改めてというか初めて実感し、震えがとまらなくなっていた。
ちょうどその時ときだ。金光新聞にも書いたあの黒アゲハチョウが飛んできた。(つづく)
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