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昭和史を語り継ぐ理由

 14日付『東京新聞』夕刊に本教の交際者であるノンフィクション作家で評論家の保坂正康氏が首標のタイトルですばらしい記事が出ていたので、皆様にもその概要を何回かにわけて紹介したい。

 保坂氏はまず、「〈昭和史には無数の教訓が詰まっている。それを語り継ぐのは、次代の者の責務である〉と、私が主張するのは、相応の理由があるからである。戦争の愚かさや、時に政治のもつ残酷さを、私たちは脳裏に刻み込まなければならないと思うからだ」といい、その理由は、ヒトとしての種内ルールを確立するのが目的であると述べている。  

 そして生物学の研究者で保坂氏の友人が氏の著書を読んで、「生存競争の中で、動物は種内の仲間と激しく闘っても相手が負けのシグナルをだすと、致命的に傷つける前に優位者は攻撃をやめるという種内のルールが確立されていることが多い。猛獣といわれる動物でさえ、一定の闘争ルールがあるが、ヒトは生来的にもっとも残酷な猛獣ではないかという思いを強くもちます」との指摘を受けたことを紹介している。(つづく)