11月月例祭・食事会執行

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 先日の月例祭・食事会、久しぶりに私が祭主・教話の御用をさせていただいた。お祭りの後、「声なき声を聞いて、世界真の平和を!」と題してお話した。          
 まず、普通は「世界平和」と表現するのに、金光教は「世界真の平和」と「真」を加える。この表現は金光教だけである。その意味を皆さん方でそれぞれ考えながら聞いていただきたいとお願いした。

 その上で、金光教の平和への信仰的原点、立ち処の根拠ともいうべき、以下の3つの教祖み教えを説明した。平和を考える上でいつも念頭におくもの、あるいは行き詰まった時、矛盾を感じる時、常にここに戻るべき原点である。

○天(あめ)が下の者はみな、神の氏子である。天が下に他人はない。
○天地金乃神のご神体は天地である。
○人間を軽く見るな。軽く見たらおかげはなし。

 次に、なぜ日頃から戦争と平和について語るのか、また語らなければならないのか、について現在も戦争中であるという3点について紹介した。

1 日本は直接的には戦闘に加わってないが、イラク戦争は後方支援という間接的参戦であった。そして今も世界では戦争、紛争は続いている。
2 東京上空は米軍が占領中。ほとんどが米軍の空域であり、自衛隊が少し、民間機はそれよりも狭い。
3 1度戦争を始めれば50年や100年では終わらない。心身共に後遺症で苦しんでいる方はいまだにいる。

 次に沖縄遺骨収集の写真を見て頂きながら、私の体験を話した。その中で一番いいたかったことについて、

 ガマ(洞窟)の中から、ご遺骨はもとより、軍刀や軍服と一緒に出てきた薬品や注射器、そして手鏡や石けん箱、くしなど大量に眼前に現れ、民間の女性も共にここで亡くなったことを知った。
 その時に沖縄では御霊様が黒アゲハ蝶に宿って戻ってくると言い伝えられており、その黒アゲハ蝶が眼前に現れ、私にこう言った。
 「なぜ、人間は未だに殺し合いを続けているのですか。こんな悲しみはもう私たちで十分。お願いです。何とか平和な世の中に、平和な沖縄にして下さい」と。私はその声なき声を確かに聞いた。震えがとまらず、ただただその御霊様に力足らずで申し訳ないとお詫び申し上げた。

 以上をいろんなエピソードを交えて話した。
 
 次に世界真の平和について、まず一言で言うと 「分け隔てなく、分かち合うこと」。そして次の3つが世界の真の平和の真の内容となるのではないかと。 

世界真の平和とは、
①遠くにある理想や目的ではなく、人間生活の前提であり、手段である。と同時に平和は希有なるものであり、深く感謝しつつ、時々刻々と創り上げていくものである。
②ある特定の人や集団の平和ではなく、天地全体とすべての1人ひとりの平和である。
③表層的に平和を唱えるのではなく、私たち人間の心の奥に巣くう暴力性を自覚し、常に自らを正当化しようとする無礼を詫び、改まり、他者の痛みをわが痛みと感じつつ願い、行動するところにある。

 そして最後に沖縄遺骨収集を勧めている意味について、文字や映像など頭で考えるだけでなく、難儀の現場に実際に立ってみて、肌で感じ、体で体感しつつ、想像してみる。これは気仙沼ボランティアでも同じである。

 亡くなられた方々は、生きたかったのである。生きたかったのに死んでしまった。もし、今声を出すことができたら私たちに何を語るだろうか。悔しい思いを一杯しているのではないか。「もし過ちがあったとするならば、私たちでもういい、あなたたちは同じ過ちを繰り返さないでほしい、私たちで十分だ」と。こう叫んでいるのではないか。

 その声なき声を聞かせていただき、事実を忘れずに将来世代に伝え、教訓としていく責任がある。金光教人として世界真の平和実現への使命がある。そのための遺骨収集参加であり、ボランティア活動への参加であると思う。

 大要、以上のことを話させていただいた。

 引き続き、食事会では、寮生のY君がズワイガニを提供してくれ、食事会発のカニ鍋となり、舌鼓を打ち、懇親を深めた。

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このページは、つっさんが2012年11月 7日 16:14に書いたブログ記事です。

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