選挙前、ケリー氏が当選しても今までと同じ、日本にとっては親日のブッシュ氏の方がいいとの声が多くあった。しかし、私はケリー氏が真に国際協調路線をしけば、いい方向に向くだろうと期待していた。ゆえに小差に見えて、ブッシュ大統領の完勝には残念至極。
それにしてもかつての日本のように、都市層はリベラル派で民主ケリー、地方は保守派でブッシュ共和党と見事に分かれた。保守層の宗教や倫理のよき伝統を守ることは理解できる。しかしそれが、偏狭なユニテラリズム(一方的・単独行動)を支え、その方向に突き進むなら、対立が対立を生み、暴力の連鎖は続くだろう。
アメリカ人の多くは世界を飛び回り、世界の情勢をよく知っているというイメージがある。ところが全く逆で、パスポート保有率はわずか14%。メディアも地方が主力で、世界の出来事や今イラクで起こっている真実をほとんど知らない。自国に都合のいい情報しか流れていないという。
東京センターから帰りの中央線の中、前の方のタブロイド新聞に「世界は落胆」、「暗闇の世界が続く」等の見出しが躍っていた。小泉首相は「同盟関係を一層強化して、力を合わせて世界の平和と繁栄のために努力したい」と述べた。もし、本当にそれを願うなら、ただアメリカに追随するだけでなく、反米を強めている国際社会を注視し、単独行動は世界のためにならないことを真剣に忠告して頂きたい。
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