「食べてすぐ寝ると角が生えて牛になる」、「夜つめを切ったら、親の死に目に早く会う」等々、昔からの言い伝えがいろいろとある。そのほとんどが迷信として語り継がれず、今の子供たちはほとんど知らないであろう。
しかし、なぜ私たち世代までは、誰でもが知っているほど、言い伝わってきたのだろう。その言い伝えが正しいという根拠があれば納得も行くが、迷信と言われ、正しさも根拠もないことが伝わるのはなぜなんだろう。
こう思うのも、ある健康冊子に「宵越しのお茶は飲むな」はホント?ウソ?という記事があった。これは私からすればウソ、ホントのレベルの問題ではなく、「当たり前やんか」と思うが、そうはいかないらしい。それ以前にもうすでにこの言葉でさえ死語となりつつあるのだ。
となってくると、正しい、当たり前、根拠があるから伝わる、ないから伝わらない、ということも当たらない。なぜか迷信でも伝わっていることは多い。これは、その内容そのものよりも、それが正しいとか根拠があるとかということ自体を疑った方がよいかもしれない。
科学の発展で私たちがもう間違いなく自明としたことが、実は自明でないことが次々にでてきている中で、「どう生きろ」と伝えることができるのか。教え、伝え、育てることを改めてもっと真剣に考えなければならない。
もしかして罪はわが世代にあるかもしれない。首標のような「宵越しのお茶は飲むなはホント?ウソ?」という質問自体がでるのが情けない。考えることを放棄している。それでいて40~50歳代のわが世代の人間に、自分事を棚に上げて、相手のことをあげつらう輩が多いのだ。そしてその自覚がなく、自分が正しいと本気で思っているのが一番始末が悪い。ゆえに子供の世界がおかしくなるのは道理である。
コメントする